カタールワールドカップ

カタールワールドカップで大躍進を見せている日本代表。大会前はスペインとドイツの2抜けが予想されていたが、結果は日本とスペインのグループステージ突破となった。

初戦からまさかの結果だった。ほとんどのサッカーファンがドイツの勝利を予想していただろう。日本は前半に先制されるも、後半に堂安と浅野が決め、逆転に成功。大金星を飾った。

しかし、その勢いで挑みたかったコスタリカ戦では、後半に1点を決められ手痛い黒星を喫する。

何としても勝利が欲しい第3節は強豪スペイン。決して簡単な相手ではない。先制点も試合開始早々にスペインが決め、苦しい展開となった。

しかしここで終わらないのが今大会の日本代表。後半開始直後に、堂安のゴラッソで同点に追いつくと、そのすぐ後に三笘の執念の折り返しを田中が押し込み、逆転に成功した。

逆転後は一方的に押される苦しい時間が続いたが、全員守備で何とか耐え、見事1位で決勝トーナメントに進出することとなった。

このように、日本代表はグループステージで2回の逆転劇を見せたわけだが、OptaJoeによると、実はW杯の1大会で2度、前半終了時にリードされながら後半で逆転に成功したチームは、今回の日本を含めて3チームしかないという。

その3チームとは、1938年のブラジル、1970年の西ドイツ、そして2022年の日本だ。

それでは、それぞれの逆転劇を振り返っていこう。

1938年ブラジル代表

準々決勝再試合チェコスロバキア戦

1938年はグループステージ制度がなかった大会。いきなりラウンド16から始まったが、初戦はポーランドとの激しい撃ち合いの末、6-5で勝利した。

そして迎えた準々決勝。オランダに勝利したチェコスロバキアとの対戦だったが、延長戦でも決着がつかず再試合に。

その再試合では、チェコスロバキアが前半に先制するも、後半にブラジルが2点を決め、逆転勝利に成功した。

3位決定戦スウェーデン戦

チェコスロバキア戦での疲労が影響したか。準決勝でのイタリア戦では、2-1で敗れ3位決定戦にまわることとなった。

その3位決定戦では、スウェーデン相手に前半に2点を奪われるも、前半終了間際に1点を返し2-1で折り返す。

すると後半に3点を奪い、2-4で逆転勝利。1938年大会は3位という結果に終わった。

1970年西ドイツ代表

グループステージ第1節モロッコ戦

1954年以来の優勝を狙う西ドイツ代表は、ペルー、ブルガリア、モロッコと同じ組に入った。

初戦はモロッコとの対戦だったが、前半に1点を奪われ、ビハインドのまま後半へ。何とか点をとりたい西ドイツは、後半56分にウーヴェ・ゼーラーのゴールで同点。

そして、同33分にはゲルト・ミュラーが勝ち越しゴールを決め、結果的に2-1で勝利を収めた。

準々決勝イングランド戦

グループステージを首位で突破した西ドイツの決勝トーナメント初戦の相手は前回王者イングランド。前半31分にゴールを決められると、そのまま前半を折り返す。

モロッコ戦と同じ展開であったが、次の得点もイングランド。2点のビハインドという苦しい展開となった。

それでもベッケンバウアーのゴールで詰め寄ると、ウーヴェ・ゼーラーのゴールで同点。そして延長後半にゲルト・ミュラーが値千金の決勝点を決め、見事準決勝進出を成し遂げた。

ちなみに準決勝ではイタリアに敗れ、3位決定戦でウルグアイに勝利したことにより3位に終わっている。

2022年日本代表

グループステージ第1節ドイツ戦

難しいグループに入った日本の初戦の相手はドイツ。何とか耐え凌ぎながら得点機を探りたい日本だったが、先制したのはドイツ。PKをギュンドアンに落ち着いて決められ、苦しい展開となった。

後半まずは同点に持っていきたい日本は、選手交代をしながら機会を伺った。すると30分、三笘と南野の連携で左サイドを崩すと、一度キーパーがはじいたこぼれ球に反応した堂安が流し込み同点に追いついた。

その勢いで逆転を目指す日本は、自陣でのフリーキックから板倉が前線にボールを送ると、上手くボールをコントロールした浅野がニア高めにぶち込み、見事逆転に成功した。

その後は何とか逃げ切り、初戦から大金星をあげた。

グループステージ第3節スペイン戦

コスタリカ戦に敗れ、後がなくなった日本。対するは引き分け以上で突破が決まるスペインだ。

やはりこちらも先制はスペイン。アスピリクエタのクロスにフリーのモラタが合わせ、日本はいきなり劣勢に立たされた。

何とか前半を1点ビハインドで折り返した日本だったが、後半開始から出場した堂安がゴラッソを決め、同点に追いつく。

勢いに乗った日本は、その直後に三笘の執念の折り返しに田中が反応し、見事逆転に成功した。

そのまま耐えきった日本は、グループステージを1位で突破することに成功した。