カタールワールドカップ

カタールワールドカップで躍動するアルゼンチン代表FWフリアン・アルバレス。今大会はラウタロ・マルティネスの控え枠として代表に選出されていたが、スタメンの座を勝ち取ると、一気にチームにフィットした。

絶対に負けられない第3節ポーランド戦。イマイチ調子の上がらないラウタロ・マルティネスに代わってスタメンに抜擢されると、いきなりその違いを見せつけた。

前線から積極的にボールを追い回すことにより、相手にビルドアップを自由にさせない。アルゼンチン代表はメッシが完全に攻撃重視であるため、実質守備人数が1人少ない状態で戦っているのだが、フリアン・アルバレスが走り回ることによって可能な限りその欠点を埋めることができた。

もちろんストライカーとして最も大切な役割も果たしている。ポーランド戦では、エンソ・フェルナンデスのスルーパスに抜け出し、貴重な追加点を叩き込んだ。

勢いは止まらず、決勝トーナメントのラウンド16でも前線からの積極的なプレスによって追加点を奪った。

そして迎えたクロアチアとの準決勝。メッシのゴールで1-0とした直後、ロングカウンターからゴールを決めると、後半にはメッシのお膳立てをしっかりと決め切り、今大会初の1試合2得点を達成した。

決勝を前に、今大会のゴール数を『4』にしたわけだが、参加国が現行の32ヵ国になった1998年フランス大会以降、ワールドカップ初出場で4得点以上を決めているのはフリアン・アルバレスを合わせて14人となっている。

あのメッシやクリスティアーノ・ロナウドも達成していない偉業だ。同胞の選手でいえば、2010年のゴンサロ・イグアイン以来である。

このように一気にその名を世界に知らしめているフリアン・アルバレス。所属クラブであるマンチェスター・シティにはハーランドという怪物がいるが、アルバレスも黙ってはいないだろう。今後の活躍に注目だ。

1998年大会以降の記録は以下の通り。

【6得点】
ダヴォール・シューケル(1998年、クロアチア代表)
ハメス・ロドリゲス(2014年、コロンビア代表)
ハリー・ケイン(2018年、イングランド代表)

【5得点】
クリスティアン・ヴィエリ(1998年、イタリア代表)
ミロスラフ・クローゼ(2002年、ドイツ代表)
トーマス・ミュラー(2010年、ドイツ代表)

【4得点】
ヨン・ダール・トマソン(2002年、デンマーク代表)
ゴンサロ・イグアイン(2010年、アルゼンチン代表)
ローベルト・ヴィッテク(2010年、スロバキア代表)
ネイマール(2014年、ブラジル代表)
ロメル・ルカク(2018年、ベルギー代表)
デニス・チェリシェフ(2018年、ロシア代表)
キリアン・エムバペ(2018年、フランス代表)
フリアン・アルバレス(2022年、アルゼンチン代表)