11月20日に開幕するカタールワールドカップ。四年に一度の祭典ともあり、本来であれば大きな盛り上がりをみせるはずだが、このカタール大会はやや議論を呼ぶ部分もある。
具体的には、環境や人権、さらには外国人労働者が6500人以上亡くなるなどさまざまな問題が浮き彫りとなっているのだ。
これらの問題に対して、一部の出場国はワールドカップを過剰に持ち上げない姿勢を示している。例えばフランスでは、一部新聞が報道しないほか、主要都市におけるパブリックビューイングの設置を禁止している。
また、デンマーク代表のユニフォームを担当しているヒュンメルは、企業のロゴがユニフォームで目立たぬよう、ユニフォームの色と同じロゴを胸に付けた。
ヒュンメルがデンマーク代表ユニを発表🇩🇰
— ALLSTARS CLUB (@allstarsclubjp) September 29, 2022
ロゴがユニフォームと同色で目立たないが
これには深い意味が込められている。
🗣️「多くの外国人労働者が亡くなっている場所でのW杯で目立ちたくない。もちろんデンマーク代表は応援するが、開催国のカタールをサポートするというわけではない」 pic.twitter.com/P0FlEdSgcU
さて、このように様々な方面が抗議の意を示しているわけだが、スコットランドを本拠地とするビールメーカー「BrewDog」は皮肉めいた内容の広告を掲載したりしている。
例えば、「Eat, Sleep, Breathe Football.」という文言の「Breathe」の部分を「Bribe(賄賂)」に変えたり、「The Beautiful Game」という文言の「Game」の部分を「Shame(恥)」に変えたり、といった具合だ。
⚽@BrewDog has announced itself as the anti-sponsor of the Qatar 2022 World Cup? 👉https://t.co/oM6tNte2Y9
— The Drum (@TheDrum) November 7, 2022
What do you think of this punk protest?#Marketing #Advertising pic.twitter.com/7COyCywY4k
さらには、「Proud sponsor of the world cup」というどこにでもありそうな文言には、「Anti(アンチ)」や「F***」という単語をもじって「Proud anti-sponsor of the world f*cup」と表現するなど、かなり痛烈に批判している。
We’re donating all profits made from Lost Lager sold during the World Cup to causes fighting human rights abuses. pic.twitter.com/5OTA9Gn71G
— BrewDog (@BrewDog) November 7, 2022
Brewdogはウェブサイトの声明で次のように述べている。「今回のものは”World Cup”ではない。”World F*Cup”だ。サッカーは大会開催前に泥沼に引きずり込まれた。正直になろう。カタールは賄賂によってワールドカップを勝ち取ったのだ。」
このように、企業や国によっては声を大にしてカタールワールドカップを批判している。ワールドカップは、サッカーで最も大きな大会と言っても過言ではないが、今大会にはさまざまな裏事情があるということも頭の片隅に置いておく必要があるのかもしれない。
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