昨日、カタールW杯の公式試合球「アル・リフラ(AL RIHLA)」が発表された。担当企業はアディダスだ。アディダスは、1970年のメキシコW杯から公式試合球の製造を担当している。
「アル・リフラ」はアラビア語で「旅」。FIFAワールドカップ™開催地のカタールへの旅、同大会の決勝戦までの旅を意味している。世界最大級のスポーツイベントであり、性別、年齢、人種やナショナリズムに関係なく、あらゆる人々が一体となって熱狂するFIFA ワ-ルドカップ™。
この世界大会を通して、世界が一つになっていくことを願い、「世界をつなぐ旅が、ここからはじまる。」というコンセプトがあるという。FIFAワールドカップ™史上屈指の飛行速度を誇り、現代サッカーのスピーディな試合展開に対応するデザインとなっている。
これまでのFIFAワールドカップ™では、様々なデザインのボールが使用されてきた。それぞれがコンセプトを持っており、発表の際はいつも注目が集まる。
今回は日本代表が初出場を果たした1998年以降のW杯の公式試合球を見ていこう。
フランスW杯(1998年)
『トリコロール』
優勝国:フランス
ネーミングは、赤、青、白からなるフランス国旗に由来したもの。そのデザインは、伝統的なフランスのシンボルである雄鶏と、近代フランスのシンボルである高速列車とタービンを融合している。グラスプリントとシンタクティックフォームという二つの新しいテクノロジーが採用されている。
日韓W杯(2002年)
『フィーバーノヴァ』
優勝国:ブラジル
名称の「FEVER」は FIFA ワールドカップ™に注がれる世界中の人々の熱気を、「NOVA」は「新星」を意味している。共催国である日韓両国にインスピレーションを得たデザインは、大会開催に向けられた両国の情熱や、近年の目覚しい技術革新を称えたもので、「TRIGON(トライゴン)」デザインと名付けられた。
ドイツW杯(2006年)
『+ チームガイスト』
優勝国:イタリア
名称は「チームスピリット」が加わることで、より強くなれるという意味。革新的な14枚のパネル構造を採用し究極の球体を実現することで、より正確なコントロール性を追求。放射状ラインのグラフィックは躍動とエネルギーを象徴している。「白」と「黒」は開催国ドイツ代表チームの伝統色、ファインゴールドは FIFA ワールドカップ™のトロフィーにインスパイアされている。
南アフリカW杯
『ジャブラニ』
優勝国:スペイン
アフリカ大陸初開催を祝福し、南アフリカ共和国の公用語である「祝杯」を名称として採用。8 枚(2 種類)の立体パネルを組み合わせることで、限りなく真球に近い球体を実現した。デザインは、南アフリカ共和国の公用語の数とフットボールチームの選手数である「11」にインスパイアされたもので、南アフリカ共和国の伝統的な「パターン模様」をモチーフにしている。
ブラジルW杯
『ブラズーカ』
優勝国:ドイツ
これまでの公式球の中で最小枚数である 6 枚のポリウレタン製パネルでできており、これまでにない十字形のパネルを採用することで、ゲームのスピードアップやボールの球形維持を向上。ブラズーカのボールテストには 2 年半が費やされ、世界トップレベルの選手によりテストされた。ブラジル伝統の Wish Bracelets をモチーフにしたリボンデザインが特徴となっている。
ロシアW杯
『テルスター18』
優勝国:フランス
1970 年メキシコ大会で初登場したアディダス史上初のFIFA ワールドカップ公式試合球である『テルスター(TELSTAR)』からインスピレーションを得ており、メタリックプリント技術を活用した正方形柄(ピクセル)が組み合わされたデザインはデジタル時代を象徴している。