W杯の各グループステージも佳境を迎える。決勝トーナメントに入る前に既に若手の選手がポストロナウド&メッシ時代を引き継がんとばかりに勇ましい姿を見せる。
今回はこの大会をきっかけに、ビッグクラブがこぞって欲しがるほど優秀な活躍を見せる選手たちを紹介していく。
モハメド・クドゥス(ガーナ)
チャンピオンズリーグでもMOMをとるなど、ブレークの兆しを見せていたアヤックス所属のクドゥスだが、ガーナ代表でも素晴らしいパフォーマンスを見せる。
対ポルトガルではボールを保持されることは織り込み済みで、ガーナはカウンターの機会をうかがい堅守速攻のスタイルで挑む。ボールを奪ってからはクドゥスの推進力とキープ力で果敢に敵陣にボールを運ぶシーンが度々見られた。また試合終了間際にはカンセロとの競り合いに勝ち、クロスでゴールをお膳立て。
また、対韓国では2ゴールを決めるなど、一気に殻を破りそうだ。
コーディ・ガクポ(オランダ)
エースの10番デパイの不調でオランダの攻撃陣が懸念材料となっていたが、若手ストライカーのガクポによって払拭された。
ガーナとトーゴにルーツを持つ彼は23歳ながら名門PSVで100試合近くに出場し、20ゴール以上を記録している。
GSでは3試合連続ゴールを記録し、初のW杯出場ながらチームを牽引した。
ジャマル・ムシアラ(ドイツ)
ドイツ代表のオフェンス時の要は既に19歳の若手が担っている。対日本代表でも狭いバイタルエリアをいとも簡単に潜り抜け、試合を見ていた方はヒヤヒヤしていたことだろう。
バイエルン・ミュンヘンでもタレント軍団の中でひと際目立つプレーのクオリティを見せている。
ガビ&ペドリ(スペイン)
この二人に関しては言わずもがな。ただしバルセロナでの国際コンペティションでの成績が低迷していたこともあり、スペイン代表として結果を残すことで、これまで以上の評価を受けられることは間違いない。
オーレリアン・チュアメニ(フランス)
ラリーガを普段から見ている人にとっては既に彼の実力を熟知しているだろう。W杯でベテランのポグバやカンテの欠場が不安材料かと思われたが、チュアメニは二人の穴を埋めるかのような活躍を見せている。持ち前のプレーエリアの広さでフランス代表の潤滑油的な役割を果たす。
攻撃的な選手が多いフランス代表だが、チュアメニのフィルターとしての貢献度がかなり大きく、W杯によって更に評価も上がることだろう。
エンソ・フェルナンデス(アルゼンチン)
アルゼンチンの強豪リーベルプレートで大活躍を見せ、22年夏にベンフィカへ移籍した21歳。リーベル時代は攻撃的MFとしてプレーしていたが、ベンフィカではボランチとして活躍する。
アルゼンチン代表では中盤にタレントが揃っているため、特に決まったポジションはない。例えばポーランド戦では初めは中盤の最後尾でプレーメーカー兼アンカー的な役割をしていたが、パレデスが入ってからはやや攻撃的なポジションに移った。それもあって、元同僚のフリアン・アルバレスにアシストすることができた。
正確なパスが彼の持ち味だが、体格の割にはフィジカルも強く、レヴァンドフスキ相手でもあまり苦にしなかった。今後アルゼンチン代表の中盤として欠かせない存在となることだろう。
三笘薫(日本)
日本では既にいい意味でも悪い意味でも浸透している「戦術三笘」。ブライトンでも頭角を現していた三笘だが、W杯は更に市場価値を高めるショーケースになるに違いない。
ドイツ戦でも三笘が攻撃の起点になっており、コスタリカ戦も然りだ。ムバッペやヴィニシウス、レオンといった相手DFをしっかりと抜きさるドリブラーに共通するスピード、懐の深さ、テクニック、バリエーションの広さを兼ね備えた世界屈指のウィングになれる存在だろう。
あるいはサイドバックでもワールドクラスを狙えるポテンシャルを備えているかもしれない。
堂安律(日本)
今大会の日本代表を目に見える結果で支えているのがこの堂安律だ。スペイン戦ではこぼれ球に素早く反応してネットを揺らし、ドイツ戦では鋭い切り込みから強烈なミドルシュートで日本に希望をもたらした。
昨シーズン、オランダの強豪 PSVで結果を残すと、今シーズンから欧州五大リーグの一つであるブンデスリーガへ移籍。そこでもポジションを勝ち取り、存在感を見せている。
鋭いカットインからのシュートを得意としており、さらに磨きがかかれば絶対的な存在となることだろう。
ヨシュコ・グアルディオル(クロアチア)
クロアチアの名門ディナモ・ザグレブのユースで約10年を過ごし、2019年にトップチームデビュー。ユース時代からマンチェスターCやドルトムント、インテルなど錚々たるクラブから注目を受ける。2021年にはライプツィヒ移籍を決断し、現在は20歳ながら主力として活躍する。クロアチア代表としてW杯ではGS3試合に出場している。