ビジャレアルの2020-2021年シーズンは、ヨーロッパリーグ優勝などスポーツ面では成功した年だったが、財政面では2部に降格した2011-2012年シーズンとほぼ同じだった。1420万ユーロ(約18億1900万円)の損失を出し、近年期待されていたバランスのとれた予算と持続可能な経営からは程遠いものとなった。
「コロナウイルスの異常事態と、年間チケットや一部スポンサーからの収入の減少により、このような赤字で決算することになりました」と、フェルナンド・ロイグ社長兼筆頭株主は話す。これに、ヨーロッパリーグ優勝によるトップチームへのボーナス支給により支出が増えている。
クラブは2019-2020年シーズンに給与と移籍による減価償却に1億1250万ユーロ(約144億1200万円)を費やしているが、この金額はヨーロッパリーグ優勝などチームが収めた好成績を考慮すると、昨年より上がっているはずである。
「もっとバランスの良い決算にしたかったが、状況が良いので、今年こそはバランスを遵守したい」とロイグ氏は語る。赤字ゼロを目指す4年周期の政策の中で、2021-2022年にブレークイーブンを回復させることを目標としている。
今シーズンは、チャンピオンズリーグ出場権獲得とエスタディオ・デ・ラ・セラミカ(本拠地)の入場制限解除をもってしても、収入はわずか600万ユーロ(約7億5000万円)減の1億3870万ユーロ(約144億1200万円)にとどまるだろう。その理由は、2020-2021年シーズンに非常に高くなる移籍金の影響に他ならず、当面は収入が上向くことはないだろう。