バレンシアCFは、少数株主が8170万ユーロ(約105億6500万円)を上限とする増資に参加できるよう、株式引受の期限をさらに14日間延長することを登記所に通知した。
この政策は、バレンシアの株式資本を強化し、法律で義務付けられている少数株主の持分の希薄化を防ぐことを目的としている。シンガポール人実業家のピーター・リム氏は、延滞債権の補償を通じて4330万ユーロ(約56億円)をクラブに注入しており、現在84.76%の株を保有している。
リム氏が保証する最初の増資は、株式額面で1298万ユーロ(約16億7800万円)、さらにプレミアム付株式で3028万ユーロ(約39億1600万円)になるとすでに発表されている。
一方、少数株主を対象とする金額は2452万ユーロ(約31億7100万円)、プレミアム付株式で5721万ユーロ(約74億円)で、合計8170万ユーロ(約105億6500万円)となっている。
このオペレーションにより、バレンシアCFは昨年9月に発表した増資を継続する。その目的としては、当時の声明で説明したように、「クラブの現在および将来の問題に支払能力をもって立ち向かうべく、クラブの財務基盤を強化すること」にほかならない。最初の増資によるバレンシアCFの新しい株式資本は3457万ユーロ(約44億7000万円)を超えることになるだろう。
リム氏は2015年の就任時に1億ユーロ(約129億円)を割り当てていたが、今回の増資が完了すれば1億5000万ユーロ(約193億9700万円)近くを注入することになる。同氏の意図は、最初の増資にのみ参加し、資本金を超える資源を提供しないことだ。
リム氏は2020年6月30日に1650万ユーロ(約21億3400万円)の新規融資にサインし、その返済は昨年9月にトップチーム4選手の権利保証で合意していた。さらに、3800万ユーロ(約49億1400万円)を借り換え、2021年6月までに1500万ユーロ(約19億4000万円)の返済(未払い)を、それ以降は残りを返済する。