UEFAは、欧州サッカーの持続可能性を向上させる計画で戦略的な転換を図ろうとしている。
アレクサンデル・チェフェリン会長は、最終的にはサラリーキャップ制度を外していきたいと考えている。代わりにクラブの売上高によって新しいファイナンシャル・フェアプレー(FFP)のルールが設定されることになる。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、2025年からクラブは支出を収入の70%を上限とするとのこと。この措置は、まず90%を限度とし、今年の4月7日の同団体執行委員会で承認される見通し。
この制限の対象が総収入なのか、中堅クラブの主な収入源である移籍金が除外されているのかは、同メディアでは明らかにされていない。
現状サラリーキャップは、逆に最も裕福なクラブ、特に首長や億万長者が支配するマンCやチェルシー、PSG、ニューカッスルといったクラブにとって有利に働いてしまっている。
彼らは資本を注入したり、クラブに関心を持つ当事者とのスポンサーシップを追加(ラ・リーガやプレミアリーグはすでにこの点を規制している)して、限度額を増やすことができるのだ。
その意味で、UEFAがファイナンシャル・フェアプレーそのものを「ファイナンシャル・サステナビリティ・レギュレーション」に置き換えたいと考えていることは注目に値する。
チェフェリン氏はUEFA会長に就任して以来、クラブごとにサラリーキャップの導入を推進してきた。プレミアリーグは、数百万ポンドの放映権契約を結んでいるため、リーグ内の格差が非常に目立ち始めており、サラリーキャップ制度はこれを解決する最善の方法であると主張する。
しかし、UEFA会長はこれまでのビッグクラブの反対も相まって、収入の70%の支出を最良の選択肢と想定している。この施策は、3シーズン実施される予定とのこと。
実際、ニューヨーク・タイムズ紙によると、チェフェリン氏は70%という数字を妥当としていたが、欧州サッカーの”新ビッグクラブ”の中には、85%まで引き上げるよう求めていた。一方でバイエルン・ミュンヘンなどブンデスリーガのチームは、バランスシートをバランスよく保つ傾向があるため、彼らはより厳しい制限に賛成していた。
また、UEFAはケースバイケースで例外を認める。クラブは、健全なバランスシートを保つ、あるいは過去にファイナンシャル・フェアプレーに違反したことがなければ、上限の900万ユーロの上限を超えることが許されることになる。