プレミアリーグを含む欧州大陸の37のプロリーグを代表する欧州リーググループのマネージングディレクター、ジャコ・スワート氏は、新たに合意された欧州クラブ大会のフォーマットが2024年から施行される際には、収益分配にも劇的な変化が必要であると述べた。
2024年から2027年のサイクルの収益は50億米ドルと予測されている。スワートは、そのうちの何パーセントかを欧州大会非参加クラブに与えること、ヨーロッパリーグとヨーロッパカンファレンスリーグへの分配を増やすこと、これら2つの大会での資金の分配方法を変更することを要求している。
一方でチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグで、UEFA係数とマーケットプールに基づき与えられるパーセンテージを減らすことを要求した。
マンチェスターU財務部門の代表者「どこでサッカーの価値が大きく生まれるかは、みんな知っていることだ」
このことに関してマンチェスターユナイテッドのバティ氏は、「サッカーの指導者たちは、欧州のゲームの価値は欧州大陸のトップクラブが生み出すものであり、財政配分の大きな変化によってクラブの持続可能性に影響を与えるようなことをしてはいけない」と語った。
また「このバランスを崩してしまうと、欧州の各クラブが不安定になり、財政管理が難しくなる。
欧州の小規模クラブや欧州主要大会に出場しないクラブにもっとお金を分配したいという気持ちは理解できるが、多くの放送局やOTTサービスが”チャンピオンズリーグ”に多く払われている結果、分配金のトータル額が大きくなっているのだ。
分配方法を変えて、もっと収益を伸ばしたい”というのであれば、尚更そこは気をつけないといけないだろう。どこでサッカーの価値が大きく生まれるかは、みんな知っていることだ」と付け加えている。
“ビッグクラブ”を優遇しすぎているCLの分配方法
スワート氏は、カンファレンス・リーグでのお金の分配方法(参加賞として40%、パフォーマンスや順位に基づいて40%、UEFA係数で10%、マーケットプールで10%)は、より公平な分配の「非常に良い例」だと述べ、「他の大会でも同じ方向に進むべきだ」と付け加えた。
現在、チャンピオンズリーグは、25%の参加賞、30%の大会成績、30%のUEFA係数、15%のマーケットプールが配分されている。
現在の財務モデルは、明らかにマーケットプールのいわゆる”ビッグクラブ”を優遇しすぎている。UEFAの発表によると、20-21シーズン、ポルトはチャンピオンズリーグのベスト8進出によって7405万ユーロを稼いだが、これは純粋にチャンピオンズリーグから得られる収入としては11番目に高いクラブの数字に過ぎない。
バルセロナ(8480万ユーロ)、ポルトがベスト16で下したユベントス(8290万ユーロ)、アトレティコ・マドリード(7506万ユーロ)は、ラウンド16で脱落したにもかかわらず、それ以上の収入を手にしていた。
同じラウンドで敗退したバイエルンは、ポルトより2300万ユーロ多い9722万ユーロ、同じベスト8入りのリバプールは8806万ユーロを獲得している。
また欧州リーグでも、2021年から2024年の年間収入36億ユーロのうち、28億ユーロが欧州大会参加96クラブに入り、1億7500万ユーロが非参加750クラブに分配されるというデータが発表されている。