UEFA

2021年、コロナウイルスの新株(オミクロン株)が発生したことにより、欧州各クラブの損失は再び30億ユーロ(約3945億円)を超え、また、2年間での赤字の合計は61億7400万ユーロ(約8119億2000万円)に達したと、UEFAが発表した。


赤字の内訳は、20-21年が30億8600万ユーロ(約4058億3000万円)、19-20年が合計30億8800万ユーロ(約4060億9400万円)となっている。ただ、20-21年の会計報告をまだ行なっていないクラブもあるため、同年の赤字は63%増加すると見られている。


「すでに報告を行ったクラブの内32%が前年比30%以上の損失率を記録し、半数以上が15〜30%の間だった。利益を出すことができたクラブは25%にとどまり、2019年の58%から大幅に減少した」と報告されている。


また、収益にも多大な影響が出ており、欧州各国1部リーグのクラブは、2020年の総収入が206億ユーロ(約2億7100万円)で、前年比10.4%減(23億6000万ユーロ減=約3103億5600万円減)となった。これは、増加傾向で推移していた10年間で最大の減収である。



欧州5大リーグの財務状況


ラ・リーガは、放映権契約や安定したスポンサーシップにより、前年比5%減の31億8600万ユーロ(約4189億8100万円)と最も減収の割合が少なかった。


プレミアリーグは最も収入が多かったものの12%減で51億6800万ユーロ(約6796億2800万円)、セリエAは21%減で20億5200万ユーロ(約2698億5200万円)、ブンデスリーガは9%減の30億6000万ユーロ(約4024億1100万円)、リーグ1は11%減の16億8000万ユーロ(約2209億3200万円)となった。


欧州5大リーグのビッグクラブの理想は、収入の減少に合わせて支出を減らすことだったが、見事パンデミックの到来とともに支出を抑えることに成功している。


UEFAの報告書によると、ラ・リーガは21億2400万ユーロ(約2793億2100万円)、ブンデスリーガは18億1400万ユーロ(約2385億5400万円)と、かろうじて1%のコスト増にとどまっている。


リーグ1は1%減の13億9100万ユーロ(約1829億2600万円)だった。また、プレミアリーグは4%増の37億5300万ユーロ(約4935億4600万円)、セリエAは12%減となっている。



各リーグの年俸事情


2020年のリーグ1は、メッシ(年俸3580万ユーロ=約47億円)抜きで10億4800万ユーロ(約1378億1900万円)と最も支出額が少なかったが、選手給与が支出の83%を占めている。給与支払額が最も多かったのはプレミアリーグで、28億6700万ユーロ(約3770億3000万円=支出全体の73%)だった。


ラ・リーガは全体の65%に当たる18億800万ユーロ(約2377億6500万円)、ブンデスリーガは同59%の14億1600万ユーロ(約1862億1400万円)、セリエAは同78%の15億9500万ユーロ(約2097億5400万円)だった。