2020年、コロナウイルスの流行によって東京オリンピック延期が余儀なくされたが、幾度もの議論を経て、万全のセキュリティ対策で実施することになった。ある試算によると、東京オリンピック・パラリンピックの中止は、日本にとって1兆8100億円の損失となる可能性があった。結局延期することによって損失は3628億円に収まったという。
しかしこれは、最終的なコストを決定する前に専門家が見積もっていた2080億円を大きく上回る額である。延期に伴う追加費用は、東京2020大会組織委員会、東京都、日本政府で分担している。主催者はIOCに50以上の対策を提案し、大会経費を予算の2%(308億円)の節約に成功した。
完全にデジタル化され、膨大な種類の放映による娯楽が存在する時代において、オリンピックは他のどのスポーツイベントよりも際立っている。2001年から2004年の間に3887億円だったものが、2020年の東京オリンピックでは7775億円と約20年で倍増した。この成長は、オリンピックビジネスの73%を占める放映権が見直されたことによるものだ。
放映に関して、東京2020ではテレビやデジタルプラットフォームを合わせて述べ30億5000万人の視聴者が2週間に及ぶビッグイベントを楽しんだ。競技のストリーミング再生は280億回で、前回のリオデジャネイロオリンピック2016の2倍となった。「メディアの増加により、スポーツが様々な形で見られる時代になった」とIOCは大会後の報告書で述べている。
また東京大会では、リオ大会と比較して報道量は33%増加し、デジタル制作は前回大会と比較して34%増加した。このデータは、過去8回のオリンピック大会の中で最も視聴率が低く、累積視聴者数が3030万人であった1992バルセロナ大会のフォローとは対照的だ。
東京は158億4000万ドル(約1兆8129億円)を費やし、これまでで最も高額な夏季大会であった2012年ロンドンオリンピックの149億5000万ドル(約1兆7111億円)を上回った。東京都の関係者は、2013年の開催決定時では、73億ドル(約8355億円)の費用がかかると予測していた。