スペイン1部(ラ・リーガ)のシーズン前半戦は平均観客動員数が減少した。スタジアムの観客動員数レポートによると、シーズン前半終了時点で、ラ・リーガは約400万席を販売し、平均観客動員数は67%と、シーズン第1四半期に比べ5.6%減少しているとのこと。
入場制限を完全に解除しても、クラブのチケット販売やマッチデービジネスを最大に押し上げることはできなかった。収容人数5万人以上6万人未満のスタジアムと6万人以上のスタジアム(バルサ、レアル、アトレティコ、ベティスのみ)では71%だった。
シーズン前半は、通常収容人数の少ないスタジアムが最も多くのファンを集めていた。エル・サダール(観客数23,500人、オサスナの本拠地)は、平均観客動員数88%、178,957席のうち157,887席以上を販売し最も多い数字となった。
観客動員数減少の原因はやはりコロナウイルスだ。ラ・リーガでは、10節から18節の間、入場制限無しで70%の観客動員を超えることができず、18節には56%にとどまった。
先日21-22シーズンの後半戦が始まったが、オミクロン株の蔓延により入場制限が設けられ、スタジアムの収容人数の上限は75%となる。レポートでは、チャンピオンズリーグ出場圏内のチームのファンが最も多くの観客を集め、平均観客動員率は81%(販売座席数135万)、降格圏のチームは64%の観客動員率を記録し、34万3934席販売したことを強調している。中位チームの平均入場者数は61% (145万席の販売)だった。
レアル対アトレティコなどダービー戦では動員数増加
このように入場率が減少していても、マドリードダービーなど重要な試合は、最大90%の観客動員を誇っている。デポルティボ・アラベス対CAオサスナは到達しなかったが、バスク地方やナバーラ州のダービー(ソシエダ対ビルバオなど)の平均観客動員数は91%を下回ることはなかった。一方、アンダルシア州のダービー(セビージャ対ベティスなど)は平均観客動員数80%を記録し、127,394席が販売された。また、FCバルセロナとRCDエスパニョールのカタルーニャ・ダービーは、75%の観客動員を記録している。
アトレティコ・マドリード対FCバルセロナ、FCバルセロナ対レアル・マドリード(エル・クラシコ)、レアル・マドリード対アトレティコ・マドリード(マドリードダービー)といった大きな試合では、それぞれ89%、87%、93%の入場者数を記録した。
最後に、最初の19試合の指標を見ると、夜10時キックオフの試合(第1試合から第6試合まで)では観客動員率が80%と、夜間に行われる試合へのファンの関心は引き続き高く、午後9時キックオフの試合でも平均68%の観客動員数を記録している。一方、最も観客動員の少ないマッチデーは午後2時キックオフの試合で、平均観客動員数は59%だった。
ラ・リーガ前半戦の振り返り〜好調なレアルと不調なバルサ〜
それでは最後に21-22シーズン前半戦を振り返っておこう。まず序盤はレアル・ソシエダが首位を走っていたが、レアル・マドリードが追い越すとそこから独走状態に。ヴィニシウスの覚醒やベンゼマ、モドリッチ、クロース、カゼミーロの安定感がさらにチームを強くしている。新戦力のアラバの活躍も大きい。
セビージャも単独首位に立てるチャンスがあったがものにできなかった。一方で、ベティスやラージョなどダークホースが躍動しており、昨年のEL覇者ビジャレアルやバレンシアが少し苦しんでいる状態となっている。ただ、混戦状態であるため、後半戦は目まぐるしく順位が変動するだろう。
そして問題はバルサ。夏にメッシが抜けたが、その影響を受けずにはいられなかった。ブスケツやピケなど高齢化が進む中、アンスファティやペドリなどの期待の星が負傷により戦線離脱していたことも低迷の要因だろう。途中で監督がクーマンからシャビに代わったが、やはりビッグクラブの立て直しはそう簡単にはいかない。カンテラ出身の若手を積極的に起用し、常勝への復帰を目指しているが果たしてチャンピオンズリーグ出場圏内に滑り込むことはできるのだろうか。