南米のサッカー選手は、何十年もの間、ヨーロッパのサッカー界に欠かせない存在となっている。1990年代の移籍市場のグローバル化に伴い、その数は急増。現在、UEFA地域には南米出身の選手が1人以下というリーグはない。
ヨーロッパのクラブ資金力は、世界中の才能ある選手たちが幼いうちにヨーロッパに渡り、そこでスポーツマンとして最高の瞬間を迎えることを後押ししている。
南米の優秀な選手も例外ではなく、そのほとんどがいわゆる「ビッグ5」と呼ばれるリーグのいずれかに所属しているのが一般的だ。
上のグラフは、5大リーグに所属する選手の市場価値と、所属選手の価値に占める南米選手の割合が最も高いクラブを示したものである。
ヨーロッパの5大リーグのクラブでプレーする南米のサッカー選手は200人以上。最も多いのはブラジルで、アルゼンチンよりも多い約100名が在籍している。
ヨーロッパのクラブの資金力は、南米の才能ある選手たちが幼いうちにヨーロッパに渡り、そこでスポーツマンとして最高の瞬間を迎えることを後押ししている。
2022年7月初め、欧州「ビッグ5」リーグのクラブに所属する南米(CONMEBOL)出身の選手数は218人だった。ヨーロッパ国籍の選手を除くと、アフリカ(CAF)のみがそれより多い(合計246人)。
Football Benchmark社の調査によると、アジア、オセアニア、北中米など他の連盟や地域は、この点で大きく遅れをとっている。
5大リーグで活躍するブラジル選手は約100名。もちろんアルゼンチン、ウルグアイ、コロンビアなどのワールドカップ常連国も多く選手を送り出している。ボリビアは、CONMEBOL加盟国の中で唯一、ヨーロッパのトップリーグに代表選手が一人もいない国である。
南米で最も価値のある選手10名のランキングは、これらのリーグにブラジルの才能が浸透していることを裏付けるもの。評価額1億3600万ユーロで首位のヴィニシウスをはじめ、6人以上がトップ10入りを果たしている。
ヴィニシウスは、21-22年の公式戦で22ゴールを挙げ、レアル・マドリードのリーガ・エスパニョーラとチャンピオンズリーグのダブル制覇に貢献しており、当然の評価であるだろう。
また、ヴィニシウスは現在、世界で4番目に価値の高い選手であり、さらに2021/22シーズン開幕後の価値の上昇率も最も高くなっている。
3番目に南米選手が多いトッテナムは、エバートンFCからリシャーリソンを獲得したことで南米勢が勢いづき、現在6100万ユーロと評価されている。
レアル・マドリードの南米選手6人は、パリ・サンジェルマンの6人(ネイマール、メッシなど)の約2倍の市場価値がある。PSGの6人の平均年齢が30歳であるのに対し、レアルは23.5歳と低いため、ここでは年齢が大きな要因の1つとなっている。
また、この10クラブの中で、アトレティコ・マドリードが最も多くの南米出身選手を擁している(9名)ことも特徴的だ。さらにその下には、欧州のビッグクラブが名を連ねている。
南米出身の選手が占める割合が高いクラブで見た場合は、上位5チームのうち4チームがスペインのリーガ・エスパニョーラのチームである。
現在、リーガ・エスパニョーラは南米人が最も多いが(70人)、出身国との言語や文化の類似性から当然といえば当然だろう。
プレミアリーグはセリエAを追い抜く勢いで2位につけている。現在、プレミアリーグの8つのチームが、3000万ユーロ以上の価値を持つCONMEBOL国籍の選手を少なくとも1人抱えている。
最後に、ドイツ・ブンデスリーガは、南米出身選手の獲得量、総額ともに5位である。その中で現在最も価値のある選手は、現在バイヤー・レバークーゼンに所属するエクアドル人ディフェンダー、ピエロ・ヒンカピエ(評価額2600万ユーロ)。