21世紀初年にASローマが優勝して以降、”北の3強”、ユヴェントス、インテル、ミランが優勝争いを繰り広げる場面がよく見られる。
しかし今季はナポリが頭一つ飛びぬけた存在となっている。既に勝ち点53で2位のインテルとの差は13。残りのCL権3つの争いが白熱するシーズンとなるだろう。
そんな中で、北の3強クラブはピッチ内外で各々問題を抱える。まずは21世紀以降最もスクデットを得ているユヴェントス。シーズン開幕から良好なスタートを切れず低迷していたが、軌道修正を施し一時は2位まで昇り詰める。
しかしその直後にセリエAをざわつかせた粉飾決算によるFIGCからの勝ち点剥奪だ。これにより今季のCL圏フィニッシュは絶望的なものとなった。また、更に制裁が加わる可能性も無きにしもあらず。何としてもセリエAには残留したいところだ。
同クラブとしては、少しでも収入を増やすために、スポーツ面ではコッパ・イタリアを制すことが必要になってくるだろう。そうすることで来シーズンのEL、スーペルコッパの出場権が得られる。またスーペルコッパに関しては来シーズンからはファイナル4形式で行われる可能性もあるため、同コンペティションのプライオリティも高くなるだろう。
次にインテル。絶好調とまではいかないが、カンピオナートのナポリ戦、スーペルコッパのミラノダービーと重要な試合で勝負強さを見せつける。チャンピオンズリーグでも死のグループを乗り越え、全コンペティションで優秀な成績を残している。
その中でインテルが抱えるのは財政的な問題。インテルのディフェンスラインでリーダーシップを発揮していたミラン・シュクリニアルだが、来季からはPSGに加わることになった。移籍金は具体的に決まっているわけではないが、実力もあり市場価値の高い選手であるにもかかわらず契約更新が難航したため、高値での売却には至らなかった。
ここ数シーズン、主力が抜けてはその穴を埋めての繰り返しを続けているように見られるインテルだが、来シーズンもこのトンネルを脱出するために進まないといけない。
最後にミラン。昨シーズンはスクデットの獲得により復権かと思われたが、早くも暗雲が立ち込めている。前オーナーから若い選手を安く買い成長させる戦略をとっていたが、今季はそれが裏目に出ている様子。
特に昨季フリーでクラブを去ったケシエの代役が定まっていないこと、メニャンの長期離脱は攻守のバランスを崩す要因となっている。
苦しい状況の中、クラブとしては若手の覚醒が今後の行方を左右するだろう。
(By ALLSTARS CLUB編集部)