06-07シーズンにCL制覇、10-11シーズンのセリエA優勝を最後にACミランは衰退していった。しかし2017年から中国資本から米国資本に変わったことでミランは大きく経営体制を変えた。エリオット・ファンド、ACミランのディレクターを務めるジョルジオ・フルラーニ氏は現在までの経営に対して以下のように語っている。
「我々は出資者としてクラブに加担していたが1年後、中国経営のミランが経営難に陥ったため、我々がメインで安定させる必要があった。当初資金面で破産しかかっており、財務状況は非常に悪かった。UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)にも出られず、もはやサッカー界のリーダー的存在から遠くかけ離れ、マネジメントもままならない、クラブとしての結果ももちろんかなり悪かった。蓋を開けてみたらそんな状況だった」
「まず、スポーツ面での成功から始めない限り、サッカープロジェクトの成功はあり得ない。そして、経済的、財務的な観点から、特にコスト削減のための一貫性が必要だった。我々は、イバン・ガジディスという素晴らしいCEOを選び、彼とともにミランを変革し、レアル・マドリーやマンチェスター・ユナイテッドのようなメディアビジネスの方向へ進むようにした。また、フィールドでもチームが躍進できるように、サッカー面の方向性も変えた。最後に、私たちはスタジアム計画を推し進めた。サン・シーロは歴史的なスタジアムではあるが、2022年のスタジアムでは到底言えない。」
「4年間の任期で、我々はいろいろなことをやってきたが、特に最初の頃はひどいこともたくさんあった。しかしその後は事が上手く動き出した。現在では結果も会計も正しい方向に向かっている。今後失敗をしてしまうこともあるかもしれないが、間違いなくクラブの経営面は上手くいっている」と確信している。
「『少数株主』のことを視野に入れたことがあるか?簡単に言うと、考えたこともない。多くの人がクラブに興味を持ち、連絡をくれたが、今のところ何の少数株主による株主投資もない。昨年もクラブの財源から株式投資をしていないし、すぐにでもするべきではない。サッカーにおいては経済的、分析的な観点からあまり選択がなされない。ただ我々がしようとしているのはまさにこのことだ。例えば、何が何でも高値を払ってでも資産を維持しようとするのはバカなことだ。客観的に判断してプランBを持つ必要がある。クラブは新しいキーパーに非常に満足している。」
ジャンルイジ・ドンナルンマからマイク・メニャンに
現在パリサンジェルマンのジャンルイジ・ドンナルンマは今シーズン開始前の契約延長交渉の際に当時の年俸600万ユーロから最低でも1000万ユーロに年棒を伸ばすように要求したと言われている。更に代理人手数料1000万以上もかかる上に契約期間は1年という条件を叩きつけたそうだ。これだけに限らず、兄のアントニオ・ドンナルンマもミランの第三GKでありながらも100万ユーロとあり得ない額を受け取っていた。
一方でミランが提示する額は800万ユーロ(チーム内最高額)に複数年契約といった条件。この溝は埋められないと判断したミランは契約更新せず、ドンナルンマはフリーでパリサンジェルマンに渡ることとなった。
代わりとしてミランが連れてきたのは当時リーグ1のLOSCリールに所属していたマイク・メニャンだ。メニャンの移籍金は1500万ユーロ、年棒は280万ユーロの5年契約。給料面だけで見ると前任者の半分以下だが、現在ACミランでは前任者以上の活躍を見せている。また彼のロングフィードはミランの武器にもなっており、これは前任者にもなかった持ち味だ。