皆さんは「サッカー界のライバル」といえばどのクラブを思いつくだろうか。

欧州5大リーグでは

「レアル・マドリードとバルセロナ」

「マンチェスターUとリヴァプール」

「インテルとACミラン」

「PSGとマルセイユ」

「ドルトムントとシャルケ」

その他リーグでは「フラメンゴとフルミネンセ」「セルティックとレンジャーズ」、日本で言えば「セレッソとガンバ」などが挙げられる。

これらのライバル関係は歴史も絡んでいる場合があり、その分ファンも熱狂的に応援する。問題が多発し、一筋縄ではいかないのも現実。しかしそんな錚々たるダービー戦よりもライバル関係の強いクラブがある。アルゼンチンの「リーベルプレートとボカ・ジュニオールズ」だ。

毎年凄まじい盛り上がりを見せる「スーペルクラシコ」だが、記憶に新しいのは2018年のコパ・リベルタドーレスの決勝だろう。リーベルファンがボカの選手が乗ったバスを襲撃したため負傷者を出し、結局中立地のサンティアゴ・ベルナベウ(スペイン)で決勝戦が行われた。これほど現地のファンは熱狂的なのだ。実は現地では、El Monumental(リーベルの本拠地)とBombonera(ボカの本拠地)の所在地から、「富裕層のリーベル」「貧困層のボカ」と呼ばれており、歴史的にも強いライバル関係がある。

そんなリーベルとボカだが、実は両チームに所属したことのある選手は100人近くもいる。本来なら大バッシングを食らってもおかしくない「禁断の移籍」だ。今回は現役選手を含む主な5選手を紹介する。


1. ガブリエル・バティストゥータ(FW)

アルゼンチンを代表する点取り屋ガブリエル・バティストゥータ。プロ2年目の1989-1990シーズンにリーベルでプレーすると、翌年には直接ボカへの移籍となった。それぞれ1シーズンずつしかプレーしていないが、特にボカでは活躍を見せた。

バティストゥータと言えばフィオレンティーナとアルゼンチン代表。フィオレンティーナでは、269試合に出場して168ゴールと圧倒的な成績を残している。アルゼンチン代表でも77試合で54ゴールとストライカーとして長くチームを引っ張ってきた。

2. リカルド・ガレカ(FW)

現在ペルー代表監督として南米予選を戦うリカルド・ガレカ。1978-1984シーズン(1年のローンを含む)をボカでプレーし、翌年リーベルへの移籍を果たす。ボカでは130試合で64ゴールの活躍を見せた。アルゼンチン代表でのプレー経験もあり、20試合に出場して5ゴールを決めている。

インディペンディエンテで引退した後は、アルゼンチン国内のクラブを中心に監督を務め、2015年からペルー代表を率いている。現在ペルー代表は南米予選5位につけており、このままいけば大陸間プレーオフに回ることになる。

3. オスカル・ルジェリ(DF)

ボカで1980年にデビューしたオスカル・ルジェリは5年間で147試合に出場。1981年のリーグ優勝に貢献している。その後1985年にリーベルに移籍すると81試合に出場しアルゼンチンリーグ、コパ・リベルタドーレス制覇に貢献した。

アルゼンチン代表にも選ばれており、1983〜1994の間で97試合に出場。コパアメリカ2回と86年のメキシコワールドカップ優勝に貢献した。

4. ホナタン・マイダナ(DF)

2005〜2008の間ボカで活躍したホナタン・マイダナは、2010〜2018の間はリーベルでプレーした。ボカとリーベルで合わせて3回コパ・リベルタドーレス制覇を経験している。2011年からアルゼンチン代表に選ばれた経験もあり、5試合に出場した。

5. ルーカス・プラット(FW)

2007年にボカでデビューしたルーカス・プラットは、レンタルを繰り返しながら2011年まで所属。その後イタリアやブラジルのクラブを渡り歩き、2018年にリーベルに加入した。2018年コパ・リベルタドーレスの決勝2ndレグでは、同点ゴールを決め逆転勝利に貢献。現在も現役としてアルゼンチンリーグでプレーしている。アルゼンチン代表でのプレー経験あり。