審判

1ヶ月間大いに盛り上がったカタールワールドカップは、アルゼンチン代表の1986年以来の優勝で幕を閉じた。

決勝は両チームのエースが大活躍を見せた。メッシが2得点を決める一方で、エムバペはハットトリック。ワールドカップ決勝でのハットトリックは、1966年に記録されて以来、史上2回目の偉業だ。

一方で守備面に目を向けると、アルゼンチンとフランスは決勝で3失点を喫したが、これは両チームにとって今大会最多失点となっている。大会合計失点数は共に「8」と完全に互角だ。

ただ守備スタイルはお互い異なる。アルゼンチンは1対1で勝負をかけるのに対し、フランスは比較的組織で守る。1対1で刈り取ることができれば人数をかけずに済むが、その分ファールを犯さなければならない状況にもなりかねない。

また、アルゼンチンは血気盛んな選手が多く、よりファールになりやすい傾向がある。レアンドロ・パレデス、ニコラス・オタメンディ、クリスティアン・ロメロは要注意だ。

今大会アルゼンチンの象徴ともいえる試合は、準々決勝のオランダ戦。やや劣勢になったアルゼンチンにファールが増えると、パレデスがベンチにボールを蹴り込むなど大いに荒れた。

最終的にこの試合では、両チームの選手だけでイエローカード14枚、レッドカード1枚が提示された。監督・コーチを含めると+2枚。今大会最もイエローカードが出された試合となった。

一方で全64試合の中でカードが提示されなかった試合が2つある。ドイツ対日本、イングランド対アメリカだ。もちろんプレースタイルのみならず、試合の展開や審判によって左右される要素ではあるが、チームとしては可能な限り無駄なファールは抑えたいところだろう。

以下はカタールワールドカップを含む、ワールドカップ直近3大会のカード累計である。イエローカード枚数は最も多くなっている。

2014年
イエローカード:187枚
レッドカード:10枚

2018年
イエローカード:219枚
レッドカード:4枚

2022年
イエローカード:223枚
レッドカード:4枚

※総数は選手へのカードのみ
※ここではイエロー2枚のレッドは「レッドカード」として計上