カタールはW杯の期待値を下げているが、ワールドカップが自国の経済に与える影響については依然として高い見通しを維持している。

ブルームバーグの報道によると、昨夏の経済効果の予想額は200億ドル(約2兆6959億円)で、現在の170億ドル(2兆2915億円)より15%多い額を見込んでいた。ちなみにだがこの経済効果額は2019年のカタールのGDPのほぼ9.4%に相当する。

同国は大会期間中、120万人の観光客を受け入れると見込んでいる。これにより、大会開催中の1ヶ月間、人口を43%増の400万人にすることができるそうだ。

ただし首都ドーハのホテルの客室は9万しかないため、ホテル提供数を増やすことがW杯開催にあたっての課題の一つとなっている。

今回のこのワールドカップ開催で最も恩恵を受けるのは、建設業と観光業になる。実際に同国は会場となるスタジアムのほとんどを建設し、地下鉄の整備やハマド国際空港の拡張など、流通を中心としたインフラ投資を行ったことは記憶に新しいところだ。

FIFAの資料によると、中東で初めてワールドカップを開催するための投資額は16億9600万ドル(約2286億1200万円)にのぼるという。この費用項目のほとんどは、前述した新スタジアムやインフラの建設に集中している。