2022年カタールW杯記念ということで、今回はグループEで同じになったコスタリカ現地の1サッカーファンにW杯についての予想や、日本に対しての感想についてインタビューしてみました。
※今回のインタビュー内容はあくまでコスタリカ現地の1人に聞いてみただけなので、その辺はご了承頂きたい。
プロフィール
エステバン・カルデロンさん 33歳
コスタリカ サンホセ在住
サッカ―経験、知識:サッカー経験はほとんどない。サッカー自体は26年前から見ている。お気に入りのクラブはレアル・マドリー。
Q. グループステージで最も厳しくなるであろう対戦相手は?
A. ドイツ
Q. GSで対戦する相手の中で一番警戒しなければいけない選手は?
A. サネだね。決定力が優れている上にスピード、ドリブル(仕掛けるドリブル)が素晴らしい。ミドルシュートも狙えるし本当に脅威だ。
Q.日本代表選手で一番警戒しなければいけない選手は?
A. コスタリカにとって危険となり得る選手は南野とベテランの大迫、後は伊東純也かな。この三人は代表戦でも良くゴールを決めているし、対戦相手からしても警戒しなければいけない選手だね。
後は鎌田大地だ。彼のコンドゥクシオン(運ぶドリブル)や推進力はフランクフルトでもクラブに安定感をもたらしているね。
Q. 自分の国はグループステージ突破できる?
A. 僕らの代表は他の代表と比べるとあまり強くない上に世代交代が追いついていない。部分部分でポジションの強化もできていない。正直、今回のGS突破は厳しいと思うな。この予想が外れてくれるといいね・・・(笑)
Q.自分の国で一番上手い・気に入っている選手は?
A. ナバスだ。彼は間違いなくコスタリカのサッカー史で一番凄い選手だろうね。それだけでなく、レアル・マドリーやPSGでも特に成功を収めているし世界的に見ても模範的な選手だ。
Q. 自分の国はどういう戦い方をされると厳しくなると思う?
A. とにかくコスタリカは攻撃面でミドルサードからファイナルサードへの進入にクオリティを欠く。ウィングで違いを作れる選手もあまりいない。絶対的なエースとも言えるヌメロディエス(10番)もいない。
ブライアン・ルイスは頼りになるベテランだが年齢も年齢だから、もう90分も出場できない。ブランドン・アギレラはテクニックもあり才能に溢れているが、まだ18歳で若いし、クラブあるいは代表経験も浅い。
予選の後半ではCFにアンソニー・コントレラスを起用して、左利きのジョエル・キャンベルを右ウィングで起用し、何とか良い結果を残すことができた。
そうだね、コスタリカはリズムの速い、サイドを利かせたサッカーをされると厳しくなると思う。逆にパス回しが多いゆったりとしたリズムの戦略の方が、DFを固定させる時間ができるので、後は守護神ナバスのセーブ力も含め、より安定した守備ができると思う。
Q. 現地に応援しに行く予定はある?
A. ないかな。
Q. 優勝すると思う国とその理由?
A. フランス。とても強いチームである上に、クンデ、エンクンク、チュアメニ、カマヴィンガといった若い才能溢れる選手が多い。それに、現在のサッカー界で最も優れている2トップ、ベンゼマとムバッペもいる。ロシアW杯を制覇したメンバーに加えて若いタレントが揃うとなると恐ろしいね。
Q.今大会の得点王は誰になる?
A. ベンゼマ!
Q. 日本戦のスコア予想は?
A. 2-1でコスタリカの勝利!
Q. 日本人選手で一番印象に残っている選手(引退している選手でも可)
A. 中田英寿かな。彼は素晴らしいミッドフィルダーだった。ペルージャやパルマ時代もそうだし代表戦の彼を見るのが好きだったよ。
Q. 日本と聞いたらまず何が一番最初に思い浮かぶ?
A. 太陽の国旗、サムライ、富士山、桜の木々とボートでの散歩、小さい頃によく見ていた「キャプテン翼」、後はマドリーで出会った日本人の友だちかな。FIFAでよくボコボコにされていたんだよ😢
Q. 日本が(ドイツ、スペイン、コスタリカ)に勝てる確率は何%ぐらいある?
A. ドイツに勝ち点を奪える可能性は難しそうだね。でもスペインとコスタリカには持ち前のスピードと中盤のクオリティ、前線には南野を筆頭に優れた選手もいるし可能性はあるだろうね。彼はリバプールではスタメンではなかったものの日本代表では間違いなくスタメンだろう。
Q. 贔屓目無しでみたときに何位までいけるとおもう?
A. オクトゴナル(ワールドカップ北中米カリブ海最終予選)の前半戦は本当に望ましい結果が残せず、4位パナマがプレーオフの順位をほぼ確定していて、W杯への出場は絶望的だった。
しかしプライド、運、素晴らしいGK、キャンベルみたいな素晴らしいウィングやこの非常事態の中初めて招集された選手たちのおかげで、コスタリカはオクトゴナルの後半戦、最大勝ち点21ポイントの内19ポイントを獲得することができた。強敵であるアメリカや、無敗だったカナダをホームで破ることにも成功した。
ただし辛勝を強いられたプレーオフのニュージーランド戦とこれまでの予選を踏まえた上で、優勝候補のスペインとドイツ、そして日本という素晴らしいチームに囲まれたGS突破は極めて難しいと思う。それでも自分はコスタリカ代表の大ファンなので、このネガティブな予想が大外れしてくれることを期待しているよ(笑)
Q. 自国の注目選手は?どんなプレースタイルや特徴?
A. ジュイソン・ベネット。彼は左ウィングの選手でまだ若い(18歳)。オクトゴナル(北中米カリブ海最終予選)ではジュイソンに出場機会が与えられ、素晴らしいパフォーマンスを披露したんだよ。
身長は175cmでCSエレディアーノというコスタリカの1部リーグのクラブに所属している。彼の特徴は足が速いだけでなくドリブルスピードも速いね。献身的でスピードのあるプレス、足元のテクニックとそれを活かす頭のキレの良さも彼の持ち味だ。
カタールW杯のプレーオフ、本戦出場を決定付けたジョエル・キャンベルのゴールをアシストしたのもジュイソンなんだ。ジュイソンは現在、メキシコ、イングランド、スペインからオファーが来てるという噂をよく聞くよ。
Q. カタールは暑いが、一般的にコスタリカの選手にとって暑さは慣れている?
A. コスタリカでは、一般的に国立競技場で23-27度ぐらいの気温でプレーする。ただコスタリカは湿気もあるしカタールとは比べられないね。重要になってくるのはスタジアム内に設備された空調かな。カタールのあの暑さではコスタリカの選手たちも耐えられないんじゃないな(笑)
Q. 全出場国であなたが一番警戒している国は?
A. ブラジル
Q. W杯で一番記憶に残っている自国の思い出は?
A. 間違いなく2014年のブラジルW杯!当時様々な海外メディアでは、グループ分けが決まった途端、コスタリカは終わったと決めつけていた。だってイングランド、イタリア、ウルグアイと同じグループだったからね。
でも開幕戦でウルグアイを破り、その後イタリアに勝ち、最後はイングランドに引き分け首位通過できたんだよ!ラウンド16のギリシャ戦ではナバスがPK戦でヒーローとなり勝利。最終的には準々決勝のオランダ戦、PK戦でベスト8に留まってしまったんだよね。それでもあの大会は紛れもなくコスタリカにとって歴史的な日となったよ。
Q. 最後に一言!
A 太平洋をまたいで日本の皆さんと日本代表に暖かいハグを送りたいね。コスタリカ人と同様、日本人も大のサッカーファンと聞いているので、ワールドカップでお互い良い試合が見れることを祈ってるよ!