プレミアリーグは、再び移籍投資の口火を切ろうとしている。イングランドの各クラブは、この1月に2021年の4倍の支出をしており、中でもトッテナムは3000万ユーロ(約38億7500万円)近くを費やした。
しかし投資額の半分以上である1億8000万ユーロ(約232億5500万円)は、下位5チームによる支出である。
デロイト社のデータによると、パンデミックによって、テレビと試合会場の収入だけで、約16億ユーロ(約2067億1600万円)を失ったにもかかわらず、各クラブはつい最近閉鎖した冬の移籍市場で3億5400万ユーロ(約457億3600万円)を使ったという。
これは史上2番目に高い数字だ。今年の移籍市場での支出は2021年の支出8400万ユーロ(約108億5200万円)と比較すると、4倍に達している。
注目すべきは、現在下位に位置するチームの投資額である。チャンピオンシップに降格することによる、テレビ放映収益1億1600万ユーロ(約149億8700万円)の最低保証を失う恐れがあるため、エヴァートン、ノリッジ、ニューカッスル、ワトフォード、バーンリーの5チームは冬の移籍市場で補強を余儀なくされたのだろう。
プレミアリーグの下位5チームの投資額は前述した通り1億8000万ユーロ約(232億5500万円)だが、一方で昨年の下位5チームのこの金額はわずか700万ユーロ(約9億400万円)だった。
これらの5チームの中でも特筆すべきは、今シーズンからサウジアラビア政府が所有するニューカッスル・ユナイテッドだ。(ニューカッスルの移籍事情についてはこちら)
トッテナムはかつてのスター選手、デレ・アリをエバートンに無償で売却したが、購入価格が4800万ユーロ(約62億100万円)まで上昇する可能性がある。
英国内での移籍投資額はその他有名リーグの合計と同じ?
その他の欧州5大リーグの最終的な金額については具体的に開示されていないが、今年の冬の移籍市場ではリーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーガ、セリエA、リーグ1の合計投資額は3億8000万ユーロ(約103億3600万円)とされている。
一方でプレミアリーグとEFL(2部、3部リーグ)の合計支出額は3億7760万ユーロ(約487億8500万円)であるため、この4リーグはプレミアリーグの投資額を0.6%しか上回っていないことになる。
デロイト社のパートナーでスポーツビジネスグループチームの責任者であるダン・ジョーンズは、「今回の移籍市場は、プレミアリーグの各クラブに対するコロナウイルスの財政的圧力が緩和され、支出がコロナウィルス流行前の水準にしっかりと戻っている証拠である」と述べている。