プレミアリーグのサッカー観戦費用は、ほとんどのファンにとって値上がりしており、すでにイギリスの生活費危機に直面している何万人ものサポーターの予算を圧迫している。

そんな中、イングランドのクラブの半数以上が来季、22-23シーズンのシーズンチケットをより値上げすることを決定した。

ブルームバーグの分析によると、次回のプレミアリーグに参加する20チームのうち、11チームが19試合(ホームの全試合)分の最も高いパスの価格を引き上げ、9チームは最も安いオプションにさえ増額するという。一方で8チームはシーズンチケットの最高値を変えない意向を示している。

そんな中、リバプールは7年連続でシーズンチケットの価格を上げず、サポーターを喜ばせている。サポーターグループの会長であるJoe Blott氏は「彼らは経済情勢に対する我々の立場を知っていて値上げはしないと言ってくれたおかげで、我々は強く交渉する必要はなかった」と感謝の意を示している。

プレミアリーグ最高値のシーズンチケットは約32万7000円

トッテナム


プレミアリーグ4位で来季のチャンピオンズリーグ出場権を獲得したトッテナムは、イングランド内で最も高いシーズンチケットを販売しており、同スタジアムの最も高い席は2,025ポンド(約32万7000円)に達している。クラブの最も安い席のシーズンチケットでも807ポンド(約13万1000円)の価格になっている。

22-23シーズンは価格の値上げがないとは言え、ブルームバーグの計算によると、地元ハリンジー区の住民なら月給中央値の9割分がかかるという。クラブの最も安いオプション(約13万1000円)でも、地元サポーターの月給のほぼ3分の1がかかることになっており、クラブ-サポーター間でも物議を醸している。

ソース:Bloomberg

各クラブ最安値のシーズンチケット


一方でトッテナムのノースロンドンのライバル、アーセナルの”最安値のシーズンチケット”は、他のどのクラブのものよりも高く、927ポンド(約)だ。クラブはブルームバーグに対し、UEFAヨーロッパリーグなどのカップ戦での割引がシーズンチケットの価値を高めていると語った。

今シーズン10位に終わったウルヴスのファンは、クラブがCovid-19の閉鎖期間中は別として、毎年日常的に値上げをしていることに腹を立てている。最高値のシーズンチケットが786ポンド(約12万7000円)、最安値で590ポンド(約9万5000円)に値上がりしている。

「今回の値上げで、ウェスト・ミッドランドで最も高いシーズンチケットとしてアストン・ヴィラを上回った。これは恥ずべきやり方だ」と、クラブで最も著名なサポーター団体、「ウルブス1877トラスト」のボードメンバーであるニール・ダディ氏は苦言を呈している。

ソース:bloomberg


ヴィラも最も安いチケットは38%増の531ポンド、最高値のシーズンチケットは10%増の752ポンド(約12万円)まで跳ね上がっている。「アストン・ヴィラ・サポーターズ・トラスト」のクラブ・リエゾン・オフィサーであるモ・ラザーク氏は、この値上げについて、「生活費の危機に突入しているだけに、なおさら残念だ 」と述べている。

そんな中、分析に含まれていない唯一のクラブはチェルシーで、これはロシア-ウクライナ戦争とアブラモビッチ氏の件でチェルシーのグッズやシーズンチケットの販売を一時的に停止していたことによるもので価格は発表されていない。