プレミアリーグ

1992年のリーグ創設以来、歴史あるクラブたちが非常にハイレベルな戦いを見せてきたプレミアリーグ。今年は創設30周年を迎えたわけだが、その人気や競争力は世界一だろう。

そんなプレミアリーグだが、この30年の間にファーガソンが率いたユナイテッドや無敗優勝を達成したアーセナル、11−12シーズンの初優勝以来すでに6回の優勝を誇るシティなど、数多くの素晴らしいチームがいくつも出現してきた。

今回は競争力が非常に高いとされるプレミアリーグの歴史の中で、勝ち点90という圧倒的な強さを示したチームを紹介する。

■93−94 マンチェスター・ユナイテッド(92ポイント)


1シーズン42試合だった創設当初のプレミアリーグで、サー・アレックス・ファーガソン率いるユナイテッドは早速頭角を現した。

プレミアリーグ最初のシーズンとなった92−93シーズンでチャンピオンに輝いたユナイテッドは、93−94シーズンは更なる強さを見せつけ、2位のブラックバーンに8ポイント差をつける92ポイントを獲得し優勝。

また、FAカップも制覇し、ユナイテッドの黄金期の始まりを迎えた。当時はロイ・キーン、エリック・カントナ、ピーター・シュマイケル、ライアン・ギグスらが所属していた。

■99−00 マンチェスター・ユナイテッド(91ポイント)


前回の93−94シーズンに続き、またもや勝ち点90の大台に到達したのはユナイテッドだった。

ドワイト・ヨーク、アンディー・コール、ベッカムらの活躍により、サー・アレックスのユナイテッドが7度目のプレミアリーグのタイトルを獲得した。

■03−04 アーセナル(90ポイント)


このシーズンのアーセナルは「無敗優勝」というプレミアリーグ史上初の快挙を成し遂げた。ベンゲル監督が率いたアーセナルは26失点という強固な守備陣と、アンリやベルカンプといった前線のスターを擁し、他のクラブを圧倒した。

26勝12分という成績で「無敗優勝」を達成した彼らの他にシーズンを無敗で終えたチームはいない。ビッグクラブがひしめくプレミアリーグで無敗優勝を成し遂げた彼らの偉業は今後も語り継がれるだろう。

■04−05 チェルシー(95ポイント)


前年、アーセナルが無敗優勝を達成し、アーセナルがリーグを支配するかと思われた04−05シーズン。同じロンドンのクラブであるチェルシーは、2003年からオーナーを務めたアブラモビッチが主導して、当時ポルトでCL優勝を達成するなど青年監督として名を馳せていたジョゼ・モウリーニョを招聘。

「スペシャル・ワン」と自ら名乗った彼は、リーグ戦38試合で失点はわずか15とテリーを中心とした強固な守備陣を構築し、95ポイントを獲得して優勝した。

■05−06 チェルシー(91ポイント)


前年、就任1年目で優勝を果たしたチェルシーのモウリーニョ。チェルシーは失点が増え、獲得した勝ち点は減少したものの、勝負強さは健在で、連覇を達成した。

ランパードや、ドログバが2桁得点を記録し、テリー、アシュリー・コールらの守備陣の強固さはリーグ随一だった。結果的に91ポイントを獲得した。

■08−09 マンチェスター・ユナイテッド(90ポイント)


06−07、07−08シーズンを優勝し、連覇していたユナイテッドだったが、ベルバトフ、Cロナウド、ルーニーら強力な攻撃陣を擁し首位を快走。勝ち点90を稼いで優勝を果たした。CLでも決勝に進出したもののFCバルセロナに敗れた。このシーズンCロナウドは19ゴールを記録し、最終的に勝ち点90を獲得した。

■16−17 チェルシー(93ポイント)


08−09シーズンのユナイテッド以来、勝ち点90以上を獲得したクラブは現れなかった。この事実はプレミアリーグの競争力の高さを物語っている。

しかし、16−17シーズンのチェルシーは勝ち点93を獲得し優勝した。

シーズン序盤で連敗を喫するなど出遅れたものの、その後3バックに変更するなどし、13連勝を記録して巻き返しに成功。ジエゴ・コスタ、アザールらのアタッカー陣が攻撃を牽引し、2年ぶりの優勝を果たした。

■17−18 マンチェスター・シティ(100ポイント)


2016年にマンチェスター・シティの監督に就任したペップ・グアルディオラ。就任1年目を3位でプレミアリーグで終え、2年目となる17−18シーズンに挑んだ。

開幕前にベルナルド・シルバ、エデルソン、ウォーカーらを獲得したペップ体制2年目のシティは、見事に戦術が浸透し、勝率84%と圧倒的な数字を残して優勝した。このシーズン、シティはプレミアリーグ史上初となる勝ち点100を記録した。

■18−19 マンチェスター・シティ(98ポイント) リバプール(97ポイント)


18−19シーズンは、ペップのシティとクロップのリバプールの対決姿勢が鮮明になったシーズンとなった。2015年からリバプールの監督を務め、前年にCL決勝に進出するなどチームを成長させていたクロップとマンチェスター・シティで圧倒的な成績を残していたペップが最終節までプレミアリーグのタイトルを争った。

シティは最終的に、32勝2分4敗で勝ち点98を記録し優勝、リバプールは30勝7分1敗で勝ち点97を記録し2位となった。2チームが勝ち点90以上を記録する史上稀に見るハイレベルな優勝争いとなった。

■19−20 リバプール(99ポイント)


前シーズン、惜しくもシティとの優勝争いに敗れ、2位に終わったリバプール。19−20シーズンは開幕から連勝するなど上々の立ち上がりを見せた。前シーズン優勝を争ったシティは勝ち点が伸び悩み、7試合を残して優勝となった。リバプールにとってはプレミアリーグで初の優勝となった。

■21−22 マンチェスター・シティ(93ポイント) リバプール(92ポイント)


21−22シーズンは、シーズン中盤戦以降シティが首位をキープしていた。勝ち点差1で迎えた最終節、アストン・ヴィラに終盤まで2点のリードを許す展開も、劇的な逆転勝利を収めたシティは、リバプールに1ポイント差でフィニッシュし、18-19シーズンを再現してみせた。

最終的に、このシーズンは両チームともに勝ち点90を上回った。プレミアリーグのタイトルを狙う他のクラブにとって、この数字は最低ラインとなりつつある。