ラ・リーガ1部と2部は、最近の移籍市場においてその緊縮財政が際立っている。イングランドサッカーは、コロナウイルスの影響を大きく受けたスペインサッカーにとって生命線であり、FIFAによると2.28億ドル(約250億円)相当の移籍総額金が支払われた。

スペインサッカー界は、最近の移籍市場で緊縮財政が目立っている。収入の減少と株主として大物実業家がいないことが重しとなり、ラ・リーガ1部・2部のクラブの2021年の移籍金支出は、ブンデスリーガ、セリエA、リーグ1、プレミアリーグを下回っている。実際、イングランド市場は、他国リーグ所属選手の移籍に13.86億ドル(約1,525億円)を費やしており、スペインと比べると4倍の3.48億ドル(約383億円)となっている。

FIFAの移籍報告書で収集されたデータが示すように、スペインサッカー界は、ヨーロッパの主要国の中で、移籍金に対して最も資金を動かしていない国であることがわかる。例えばイタリアでは、ほぼ2倍の6.68億ドル(約735億円)が費やされた。

スペインの場合は、わずか2年で国際移籍市場への関与が62%も減少したという衝撃的なものだ。2019年、スペインのプロサッカーは移籍市場を大きく左右する立場で、イングランドやフランスと競い合い、約10億ユーロ(約1,300億円)の移籍金が動いていた。しかし、コロナウイルスの影響によって、他のどんな問題よりも損失を抑えることを優先してきたリーガ・エスパニョーラは、対照的な立場へと激変した。

スペインサッカー連盟の数字によると、前回の夏の移籍市場では、ラ・リーガの20クラブの合計で、選手との契約に2.71億ユーロ(約352億円)を費やしており、1年前より38%減、コロナ前である2019年の夏より79%少なくなっている。このような緊縮財政の状況は、多くの場合、チームから重要な選手が退団してしまうにもかかわらず、1年か2年の貯蓄を確保しようという意図で理解されている。

イタリアサッカー界はランキングで2位だが、イングランドより52%少ない市場支出を記録している。同様に、フランスのリーグ1とリーグ2、ドイツのブンデスリーガとブンデスリーガ2がそれぞれ5億ユーロ(約650億円)前後となっている。

イングランドの移籍市場はどれほどなのかと説明すると、フランス、ドイツ、スペインの移籍金の合計よりも高い。この数字は、ユーロよりも価値の高い通貨「ポンド」と、欧州他国よりも大きな投資余力を確保する放映契約によるもので、自クラブの経済力を物語っている。

ただし、イングランドのプロサッカーの仕組みは他の国とは少し違うのも事実だ。普段1部リーグ・2部リーグと2つのプロリーグが存在するところ、4つのプロリーグが存在するという特殊性がある。プレミアリーグの資金力に加え、チャンピオンシップ、リーグ1、リーグ2の移籍活動も含まれている。