イギリスのトップリーグの歴史の中で30試合以上連続で無敗を達成したチームは10チームしかない。そのうちの5つの記録は1992年に創設されたプレミアリーグで打ち立てられたものになる。

ビッグクラブが数多く存在し、下位・中堅クラブであっても粘り強く、タフなチームばかりであるプレミアリーグ。そんなプレミアリーグには数々の伝説的なチームが存在した。

アーセン・ベンゲルが率い、無敗優勝を達成したインビンシブルズ・アーセナル。
サーアレックス・ファーガソン監督が長期政権を築いたマンチェスターU。
ジョゼ・モウリーニョ監督が率い、ランパード、ドログバ、テリーらを擁したチェルシー。
近頃で言うとクロップのリバプールやペップのマンチェスターシティ。

これらのチームをはじめとする強豪チームは30試合以上の無敗記録を達成していたのだろうか?


プレミアリーグ無敗記録ランキング



4位 マンチェスター・シティ 30試合(2017年4月〜2018年1月)


16/17シーズンを8試合無敗で終えたシティは17/18シーズン快進撃を見せる。シーズン22試合を無敗のまま突き進み、アンフィールドでリバプールに敗れるまで無敗であった。さらにその22試合の内訳は20勝2分と圧倒的な数字を残しており、結果的にシーズン勝ち点100を記録した。

4位 アーセナル 30試合(2001年12月〜2002年10月)



アーセナルが無敗優勝を達成する2004年以前にベンゲルのアーセナルは30試合のクラブ無敗記録を達成していた。2001年の12月23日から続いた無敗記録は2002年の10月16日のアウェー・エバートン戦に敗れるまで続いた。そしてその記録を止めたのは後にマンチェスター・ユナイテッドで活躍することになるルーニーだった。当時16歳のルーニーは1-1で迎えた終了間際の90分、ロングレンジから右足を振り抜くとボールはバーに当たりゴールへ。ルーニーにとってこのゴールがプレミアリーグの初ゴール、当時の最年少ゴールとなり、アーセナルの無敗記録をストップさせた。ルーニーの名を知らしめるきっかけとなったスーパーゴールである。

3位 チェルシー 40試合(2004年10月– 2005年10月)


ジョゼ・モウリーニョ率いるチェルシーは04/05シーズンから05/06シーズンにかけて40試合の無敗記録を樹立した。特筆すべきはその守備力で、キャプテンのジョン・テリーやGKのチェフを中心に強固な守備を築き、40試合のうちクリーンシートを24度達成し、19失点しか記録していない。無敗記録の最後はサー・アレックスのユナイテッドに敗れ、記録は40でストップした。

2位 リバプール 44試合(2019年1月〜2020年2月)



18/19シーズンから19/20シーズンにかけてのリバプールは無敗を続けた44試合で獲得可能な勝ち点132のうち、122を獲得し、平均獲得勝ち点2.77と驚異的な数字を残した。クロップが率いるリバプールはマネ、フィルミーノ、サラーの強力3トップに加え、ファン・ダイクやロバートソン、アリソンらのソリッドな守備陣を擁し圧倒的な強さを見せた。結果的に99の勝ち点を獲得した。しかし優勝した19/20シーズンの第28節、無敗優勝も見えていたチームはワトフォードに3−0で敗れ、無敗記録は44でストップしている。

1位 アーセナル 49試合(2003年5月– 2004年10月)


2003年5月のサウサンプトン戦を皮切りに2004年10月にマンチェスター・ユナイテッドに敗れるまで無敗を貫いたアーセン・ベンゲル監督率いるアーセナル。03/04シーズンを38試合無敗で優勝したチームは「インビンシブルズ」と呼ばれ、02/03シーズン終盤から04/05シーズン序盤まで3シーズンに跨る無敗記録を樹立した。ヴィエラやアンリら強力なスカッドを擁したアーセナル。記録が止まったマンチェスター・ユナイテッド戦ではファンニステルローイと再びルーニーにゴールを許し、記録は49でストップした。