プレミアリーグは、大量の資本を持っているサウジアラビアのスポンサーがニューカッスルを買収するにあたり、クラブオーナーと繋がりのあるスポンサーシップとの契約を禁止していたが、この度その禁止令を解除することを承認した。


プレミアリーグは、クラブが収入を増やすためにクラブオーナーと繋がりのあるスポンサーシップとの契約を結ぶことを承認した。これにより、ニューカッスルのサウジアラビア人オーナーはサウジアラビアからスポンサーと契約することができるようになる。これまでニューカッスルのオーナー交代を受け、プレミアリーグは金融規制を遵守するために、そして、クラブの商業契約が不当に利用されることを防ぐため、オーナーに関連する企業との契約を禁止していた。

今回この禁止令が解除されたが、契約する際にはリーグ委員会の承認が必要となる。同委員会の任務は、クラブが同様の契約から得られる取引と比較して、取引が適切な価値で締結されているかを評価し、過剰な資金調達を防ぐことだ。

現在のリーグのルールでは、クラブは3年間で1億500万ポンド(約157億円)を超える損失を出すことはできないことになっている。またクラブは、選手、コーチ、監督に対して、所有権に関連する会社から支払いがあった場合、それが本給の一部を免除する手段ではなく合法的な仕事であるかどうかを評価するために、申告する必要がある。

これまでの禁止令で、主に被害を受けていたのはマンチェスターCとニューカッスルだ。2007年に1億3600万ポンド(約204億6200万円)でニューカッスルを買収したスポーツ・ダイレクト社のオーナーは、プレミアリーグの承認を経て、ついにサウジアラビアの公共投資ファンド(PIF)などに3億ポンド(約451億円)でクラブを売却することに成功したのである。

2020年、プレミアリーグは人道的な理由で契約を拒否した。この拒否権行使を受けて、スポーツ・ダイレクト社のオーナーはプレミアリーグに対して賠償を求める訴訟の準備を進めていた。一方のプレミアリーグ所属各クラブは「プレミアリーグ」というブランドがサウジアラビア公共投資ファンド(PIF)によって毀損されることを懸念し、投票などで講義の意を示していた。