イングランドプレミアリーグは、移籍市場の低迷や、放映契約および商業契約によって問題が発生するなど、物事が一筋縄でいかなかったにも関わらず収入を増やし、再び黒字で20-21年シーズンを締めくくった。
同リーグは、前年の2倍となる56万4624ユーロ(7332万8475円)の純利益を記録しており、その鍵となったのは売上高の改善で、10%増の37億5000万ユーロ(約4870億1800万円)超となった。プレミアリーグの年次会計によると、そのほぼ半分は、国際放映パートナーとの契約によるものであるという。
具体的には、37億5700万ユーロ(約4879億2700万円)の収入で、事業の大部分はイギリス国内に集中しており、21億2300万ユーロ(約2757億1700万円) を獲得している。
このうち、20億3600万ユーロ(約2644億1800万円)は、アマゾン、スカイ、BTスポーツとのテレビ契約で占められており、スポンサーからの収入は約8700万ユーロ(約113億円)だった。
放映権に関しては、プレミアリーグの国際放送に対する売上は、昨年度、16億6000万ユーロ(約2155億8600万円)で、全体の44%を占めている。ただ、この項目は前年度比でわずか2%しか増加していない。
また、プレミアリーグは、中国での放映権を持っていた中国の企業「蘇寧電器」とのいざこざにおいて、裁判で勝訴したため、賠償金として多額を手にすることになっている。
このいざこざについての詳しい内容は以下の記事をご参照ください。
明暗が分かれたビッグ6
プレミアリーグのビジネスの持続可能性と、各クラブのビジネスの不安定さは対照的である。ビッグ6では、マンチェスター・シティが過去最高の6億8300万ユーロ(約887億円)の売上高を記録し、290万ユーロ(約3億7700万円)の利益を上げた。
一方で、チェルシーの赤字は1億8200万ユーロ(約236億3700万円)、トッテナム・ホットスパーの赤字は9550万ユーロ(約124億円)、アーセナルの赤字は5500万ユーロ(約71億4300万円)だった。
また、リバプールは20-21年の業績をまだ明らかにしていないが、マンチェスター・ユナイテッドは会計年度の最初の9ヶ月を1790万ユーロ(約23億2500万円)の純利益で終えた。
パンデミックの影響を受けた最初のシーズン(19-20年)、プレミアリーグの各クラブは合計で10億6500万ユーロ(約1383億1300万円)の損失を計上していた。そのうちビッグ6が赤字の30%を占めている。