ジャウマ・ロウレスがFCバルセロナを救済。クラブは、同実業家が自身の資産管理会社である「Orpheus Media」を通じて、バルサ・スタジオの24.5%を1億ユーロで取得することでクラブと合意に至ったと、声明で発表している。先日すでに売却の合意が成立していたGDA Lumaは土壇場で辞退していた。
バルセロナは獲得した選手(クリステンセン、ケシエ、ハフィーニャ、レバンドフスキ、クンデ)を登録するために、署名済みの契約書を保証書としてラ・リーガに提示する必要があった。この取引が決裂した後、ロウレスは同じ条件でバルサ・スタジオの資本の一部を取得するための交渉に入った。
ロウレスは、SER Catalunyaの番組「Què t’hi Jugues」で、「ファンとクラブの関係を強化するために、さまざまなフォーマットで商品を提供することが目的です」と語った。
続けて、「世界は大きく進化しており、必要なのは従来の放映方法よりももっと直接的に、他の方法でファンにアプローチすることです。しかし、それはバルサチャンネルがなくなるということではなく、テレビの視聴方法が変化しているので、同じモデルを複製せずに従来の放送から離れるということです」と付け加えた。
ロウレスの場合は、急速に利益を上げているビジネスにアクセスできるため、この動きはより理にかなっていると言える。先日1億ユーロで24.5%の買収に成功したSocios.comは、投資回収の方法として、そのWeb3およびブロックチェーン事業への参加を保証していた。一方で、Orpheus Mediaは、コンテンツ作成および企業チャンネルの管理へのアクセスを得ることができるようになる。
クラブ側は、バルサ・スタジオに含まれる2つの重要な要素「暗号分野」と「コンテンツ作成」を活用するために2つのパートナーへ売却することになったが、バルサTVの運営やweb3の開発から得られる全ての資産を含めると、バルサ・スタジオの評価額は4倍になるという。
先日2Playbook紙が報じたところによると、バルサ・スタジオの事業は、27-28年に3億4046万ユーロを生み出すと推定されている。売却文書には、これが放映事業だけによるものなのか、先述のデジタル資産が含まれているのか、明記されていなかった。
このビジネスの事業成績は、2020年に3000万ユーロを超えたが、出発地点ですでに50%に達しており、良い出だしだった。その後、投資家に提供された事業計画では、売上高が前年比64%から88%という高い成長率を確立し、23-24年には2億886万ユーロに達するとされている。同年以降は17%を超えない範囲で成長し、27-28年には3億4000万ユーロ以上に達する。
過去2年間の目標が達成されたかどうかは不明だが、ロードマップでは、バルサTVに年間27ユーロの加入者を約20万人獲得し、今シーズンを終えることが目標となっている。これらの事業から得られる利益のうち、子会社とクラブで50%ずつ分配することになるという。
今回の売却によってセビージャから獲得したクンデ以外の選手を登録することが可能になったバルセロナ。しかし、カンプノウにラージョを迎えた開幕戦では0-0のスコアレスドローに終わっており、経営面のみならずサッカー面でも悪い状態を露呈することとなってしまった。
今後バルセロナはどのように動いていくのだろうか。