クラブに資金をもたらすNFT
コロナウィルスのパンデミックによって本来の移籍における選手売買やスタジアムのチケット収入などが機能しなくなり、新しい方法で収益を得ようとした結果、今日ではファントークンやNFTの分野に触手を伸ばしているクラブが多い。
サッカークラブが主にこのNFTでビジネスをするには2通りある。一つはNFTのオークションサイトにクラブの名シーンなどのイメージを販売すること。もう一つはSorareといったNFTを扱うプラットフォームにライセンスを付与すること。
SorareはETH(イーサリアム)という仮想通貨で遊べるゲーム。すなわち、まずこのゲームを遊ぶためにはリアルマネーを仮想通貨に移す必要がある。ちなみにETHは仮想通貨の中で二番目にカーボンフットプリントが高いものとなっている。一番はビットコイン。
※カーボンフットプリントとは製品が原材料調達から、製品が消費され廃棄されるまでに発生した温室効果ガスをCO2に換算したもの。
NFT販売によるカーボンフットプリント
このように現在多くのサッカークラブがファントークンやNFTをビジネスの渦中に入れようとしているが、実はこのNFTが環境問題の原因の一部になっている。
NFTはそもそもデジタル資産の権利を持つだけである。そんなNFTは現在何百万トンもの二酸化炭素を排出している。一般的にNFT一つを販売するのに211kgのCO2を排出すると言われている。30個販売すれば6.3トンに相当し、一般的なイギリス人の年間カーボンフットプリントよりも多くなる。
そしてNonFungible.comによるとNFTは昨年の1年間でおよそ2200万個以上販売され総額160億ドル(約2兆1000万円)以上動いている。
このように、マンチェスターシティ、バルセロナやACミランやユベントスを筆頭に積極的にNFT事業に手を出すビッグクラブが多いが、一方でクラブによってはすでにNFTにNOというクラブも出てきており、NFTの将来は未だ不安定なものとなっている。