昨シーズンまで乾貴士選手が所属していたエイバルは、440万ユーロ(約5.8億円)の利益と4700万ユーロ(約60億円)の資金で2020-2021シーズンを締めくくりました。2021-2022シーズンは、降格補助金のおかげでスポーツ部門のスタッフに2000万ユーロ(約26億円)近く配分され、クラブ事業の2倍の収入を得ることになります。
リーガ・スマートバンク(2部)で2位につけているエイバルは、2021-2022シーズンを210万ユーロ(約2.7億万円)の純利益で締めくくりたいと考えています。降格した2020-2021シーズンは440万ユーロ(約5.8億円)の利益と約4700万ユーロ(約60億円)の資金であり、2021-2022シーズンは50%減となります。
降格によりビジネスが落ち込んでおり、2021-2022シーズンの総収入は、前シーズンの6263万ユーロ(約81億円)から半分以下の2960ユーロ(約40億円)に減少すると予想されています。降格支援がなければ、衰退の度合いはさらに大きくなるでしょう。エイバルの場合、昇格するには約2000万ユーロ(約26億円)の資金が必要になります。
プリメーラ・ディビシオン(1部)での7年間で得られた資金は、クラブの通常の活動から得られる資金のほぼ2倍に相当します。結果として、1部リーグでは7年連続で相対的に最も収益性の高いクラブの一つとなりました。
収入の2倍に当たる2000万ユーロ(約26億円)の降格支援金を受け取る
興行成績が振るわなかった今年、エイバルはクラブ会費とチケットの売上で94万3000ユーロ(約1億円)を見込んでいますが、この数字はコロナウイルスが流行り始める前の通常シーズンに比べて約20%の減少となります。クラブは最大収容人数約5600人のスタジアムを所有していますが、満員を目指しているため、今シーズンは、シーズンチケットホルダーの同伴者に割引を適用するチケットプロモーションを開始する予定です。
放映権の収入は約700万ユーロ(約9億円)、商業部門の収入は127万ユーロ(約1.5億円)と、1部リーグの収入に比べて70%も減少します。エイバルの場合、2部リーグの視聴者数が少ないことによる広告価値の低下に加えて、2020-2021シーズンの途中でメインスポンサーがいなくなったため収入に大きな影響が出ています。
売上高の急激な低下は、特に選手への支出に直接影響を与えます。トップチームに所属する選手への給与は、2970万ユーロ(約39億円)から1390万ユーロ(約18億円)に減少することになりました。つまり、SDエイバルは、リーガ・エスパニョーラで認可されている3010万ユーロ(約40億円)の給与上限(サラリーキャップ)を使い切るには程遠い状態なのです。
エイバルの経営は「慎重」で有名です。おかげでプリメーラ・ディビシオンに在籍した7シーズンの間に、総額6600万ユーロ(約87億円)の純利益を蓄積することができました。その結果、現在、長期投資資金として約4200万ユーロ(約55億円)を保有しているほか、1年物の約束手形を199万ユーロ(約2.5億円)、さらに101万ユーロ(約1.3億円)の手元資金を保有しています。
これはすなわち、エイバルは初の自前のスタジアムなどを完成させるために借金をする必要がないのです。予算は2000万ユーロ(約26.4億円)で、クラブ史上最大の株式投資となります。最終的には、CVCからの収入で賄われます。
エイバルはCVCから6800万ユーロ(約90億円)を受け取り、そのうち4700万ユーロ(約62億円)をインフラ整備に使用することになりますが、これにより、プロジェクトを全面的に実行することができます。最終的に練習施設には、5つのコートと2つの関連施設が備わる予定です。