オリンピック・リヨンの総売上高が7790万ユーロ(約101億円)に減少した主な理由としては、テレビ放映権収入が60%減にあたる1510万ユーロ(約20億円)の減少となったことや、選手売却の際に手に入る移籍金が18%減となったことがあげられる。


オリンピック・リヨンは、シーズン開幕時にほぼ4分の1の売上を失った。コロナウイルスの影響は終わりに近づいていると思われるが、欧州のビッグクラブはまだ影響を受けている。リヨンの場合、7月から9月にかけて、クラブの総売上高は1億ユーロ(約130億円)を下回っており、チケット販売やマッチデー売上が復活したにもかかわらず、前年同期比23%減の7790万ユーロ(約101億円)で四半期を終えた。

2021-2022年の第1四半期(7月1日から6月30日までの会計年度)は、放映権収入の調整が行われたため、大きく変動した。テレビ放映権の収益は、前年同期比60%減の1510万ユーロ(約20億円)にとどまっているのだが、理由は明白だ。前年はチャンピオンズリーグの決勝トーナメントを戦ったため、この項目は例外的な売り上げだったのだ。具体的には、ヨーロッパリーグに参戦している2021-2022年の同四半期の650万ユーロ(約8.5億円)に対し、昨年のチャンピオンズリーグだけで2680万ユーロ(約35億円)の収入があった。ちなみにリーグ1からは860万ユーロ(約11億円)を受け取っている。

また、今年は移籍市場でもうまくいかなかった。クラブのビジネスモデルを歴史的に支えてきた要素のひとつだが、選手売却総額は2020年夏の移籍市場と比べて18%少ない4130万ユーロ(約54億円)であった。

悪いニュースばかりではない。商業部門の売上高は3%増加し、880万ユーロ(約11億円)に達した。また、ブランド収入は、前年同期比19%増の400万ユーロ(約5億円)となった。この分野で特に注目すべきは、マーチャンダイジングの復活で、26%の大幅な増加を記録した。

クラブの公式ユニフォームやグッズが再び購入されるようになったのは、スタジアム入場制限が緩和されたことなどが理由としてあげられる。マッチデーとチケッティングは、第1四半期に復活した。グルパマ・スタジアムのチケット収入は、7月から9月の間に700万ユーロ(約9億円)に達し、また、スポーツ以外のイベントもスタジアムで開催されており、1年前の4倍となる約200万ユーロ(約2.6億円)の収益を上げた。

損失は2020-2021年の3倍となる1億ユーロ(約130億円)に拡大

リヨンは、前年度の3倍となる1億ユーロ(約130億円)の赤字で2020-2021年度を締めくくった。昨シーズンのクラブの経常利益は1.2億ユーロ(約156億円)。売上高は35%減少しているのだが、原因はチケット収入とテレビ放映権利収入が激減したためとみられる。これに加えて、近年の主力であった選手移籍売却金によるキャピタルゲインが45%減少した。

シーズンを通じてスタジアムが閉鎖されたことや、「Mediapro」との問題がビジネスの重荷となった。チケット販売は94%減の200万ユーロ(約2.6億円)、イベント開催収入は83%減の110万ユーロ(約1.4億円)となった。