ブロックチェーン技術をベースにしたファンタジーゲーム「ソラレ」は、すでにラ・リーガやブンデスリーガ、「Kosmos」(ジェラール・ピケがオーナーの企業)と契約を結んでいる。先月には6.8億ドル(約748億円)を調達し、欧州や米国での事業拡大を目指している。
ソラレは、ブロックチェーン技術がスポーツ界に浸透する中、グローバル化に向けて準備を進める。数週間前に6.8億ドル(約748億円)の資金調達に成功したフランスの企業「ソラレ」のCEOニコラス・ジュリア氏は、2022年までに20のリーグと50のナショナルチームを提供したいと考えている。
「スポーツ業界でも、デジタル革命はとどまることを知りません。ビッグクラブはかなり前から、アナリティクス、ビッグデータ、SNSなどを戦略の一部として取り入れてきました。スポーツファンタジーや、特にNFTは、組織がファンと新たな方法で交流する機会となります。」と語っている。
ソラレの戦略は、デジタル資産の収益化に取り組んだ最初の組織であるラ・リーガから始まった。その契約締結後、ソフトバンクを中心とした増資が正式に行われ、ジェラール・ピケの企業である「Kosmos」やブンデスリーガなどの組織も参加している。将来的にはプレミアリーグやMLSなど、他のメジャーな大会を取り入れることになるだろう。
連盟として最初に登録されたのはフランスサッカー連盟で、UEFA欧州選手権(2021年6月12日〜7月12日)の前に発表された。その直前にはパリSGがソラレと契約しており、100番目のクラブとなった。現在は180以上のクラブがソラレと連携している。
しかし、ソラレの計画はサッカーだけにとどまらない。「私たちのモデルを他のスポーツにも応用したいという声が寄せられており、2022年には他のスポーツも取り入れる予定です」と前出のジュリアは述べている。今のところ、どのスポーツが参入するのかは明らかになってはいない。
しかしながら、ジュリア氏が強調しているのは、ソラレが米国市場での地位を強化したいということだ。「私たちは現在、ヨーロッパとアメリカの両方で、さまざまな経験を持つ人材を採用し、世界中でチームを構築しています」。
調達した6.8億ドル(約748億円)は、組織の強化やクラブとの契約に充てられ、また、マーケティング投資や、モバイル端末でのプラットフォームの改良にもかなりの額が費やされる予定。実際、北米での展開に向けて、すでにベッティング業界から2名の幹部を採用している。
同社の大きな魅力の一つは、ブロックチェーン技術のブーム、さらに言えば、NFT、コレクションとファンタジーなどの分野を同時並行で扱っていること。「Research&Markets」社によると、スポーツコレクターズカード市場は昨年50億ドル(約5,500億円)の規模であったのに対し、ファンタジー市場は2025年までに380億ドル(約4.2兆円)の規模になると見込まれる。
NFTの可能性は無限大だ。「人というものは昔から色々なものを集めていましたが、デジタル環境では希少性という概念がないので考えられないことでした。ブロックチェーン技術のおかげで、それが可能になりました。」とジュリア氏は言っている。
この技術を構築するブロックチェーンはオープンソースであるため、ソラレのカードは他のプラットフォームでも使用することが可能である。これは、この手の企業が抱える大きなリスクのひとつであり、ユーザーエクスペリエンスを重視する必要がある。「カードは再利用できますが、一つのクラブやリーグのためにメタバースを作っても、ファンには興味を持ってもらうことはできません」。
これこそが、トークンやNFT企業がここ数カ月の間にスポーツ界で最大の取引を行っている主な理由だろう。競争が激化するのを防ぐためにプラットフォームを充実させ、ユーザーを増やし、できるだけ多くのスポーツクラブとの連携を最短で必要としている。
ソラレの遊び方
そもそもソラレとは?
まずは選手のカードを購入(最初に無料で貰えるカードもあるが価値はほぼない)。その後自分で手持ちのカードの中から各節5人(GK1人、フィールドプレーヤー4人)を選出する。彼らの現実世界での活躍によって価値が変動するためより能力が高く、安定して成績を残している選手(例:レバンドフスキ)を購入できると安定して儲けることができる。ただ、その分彼らのカードは非常に高額である。例えば一番レア度の高いカードのレバンドフスキは約1464万円(2021年11月1日時点)。
ゲーム内で使われる通貨は「イーサリアム」。