興行収入とテレビ収入が大幅に減少したことにより、オリンピック・リヨンの経常利益は1億1,820万ユーロ(約240億円)となりました。これに加えて、近年大きな稼ぎどころとなっている選手移籍による収入が45%減少しました。


オリンピック・リヨンの財政面が史上最悪に。オリンピック・リヨンは、前年の3倍となる1億700万ユーロ(約141億円)の赤字で2020-2021シーズンを締めくくりました。一番の要因は、総売上高が35%減の2億7160万ユーロ(約358億250万円)と大幅に減少したことです。他には、移籍市場での選手売買が上手くいかなかったことも一つの要因としてあげられます。


リーグ開催期間中にコロナウイルスによってスタジアムが閉鎖されていたことや、スペインのメディアプロ社との共同放映による視聴率問題も影響しています。チケッティング分野は94%減の200万ユーロ(約2億6400万円)、イベント開催分野は83%減の110万ユーロ(約1億4500万ユーロ)となりました。

放映収入は6910万ユーロ(約91億円)でしたが、2019-2020シーズンと比較すると29%減になっています。また、マーチャンダイジング分野は11%減少の1,210万ユーロ(約15億円)、選手売却による収入は45%減の4520万ユーロ(約59億5800万円)となりました。一方で、スポンサーシップ分野は25%改善して3,390万ユーロ(約44億円)となり、唯一収入がアップしています。

「新型コロナウィルスの大流行により、パルク・オリンピック・リヨン(ホームスタジアム)のあらゆる活動が停止した」と経営陣は振り返っており、コロナウィルスが事業に与えた影響は1億5000万ユーロ(約197億円)に上るといいます。この金額には、スペインの放映会社「メディアプロ社」から支払われる予定の収入や、CL出場を逃した分の収入が含まれています。2019-2020シーズンがコロナウイルスにより数試合残した状態で中断されたため、CL出場を逃しました。

また、2020-2021シーズンに財政的な影響がでる理由として、コスト、特に人件費が固定されていることがあげられます。給与は1%増の1億3410万ユーロ(約176億円)となりました。この給与は、2019-2020シーズンのCL決勝トーナメントでのチームのパフォーマンスによって変わるシステムであったため、2020-2021シーズンに繰り越されたのです。


このような状況にもかかわらず、経営陣は「フルエンターテインメント戦略のもと、中核となるサッカービジネスを中心に、すべての戦略的プロジェクトを継続する」と断言しており、実際昨年6月にオープンした23,000平方メートルのショッピングセンター「OL バレー」には、17のブランドが出店しています。2023年には、ジョー・ウィルフリード・ツォンガ(テニス選手)が中心となって運営する「オールイン・テニス・アカデミー」が開設されます。

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