UEFAは、国際試合の日程変更による影響を数値化した「Oliver & Olbhaum社」による報告書を各国のサッカー連盟に提示した。テレビ放映権の影響が大きく、特に女子サッカーに深刻な影響を与えることになる。


UEFAは、隔年開催のワールドカップがヨーロッパにもたらす損失を算出した。欧州サッカー連盟は、同連盟に加盟している55カ国のサッカー連盟に報告書を提出し、その中で、FIFAが提案する国際試合の日程変更は最悪の結果をもたらす可能性があると指摘している。フランスの新聞ル・モンド紙によると、その影響は4年間で30億ユーロ(約3,900億円)になるという。

UEFAが英国の「Oliver & Oibhaum社」に依頼したこの調査では、ワールドカップの開催頻度を減らすことで生じるテレビ放映権契約やスポンサーシップ収入の損失が指摘されている。これは、UEFA欧州選手権などの大会にも影響を与える。世界的なイベントであるW杯と毎年交互に開催されることになり、ブランド価値を失う可能性があるとも指摘している。

当然のことながら、代表チームによる大会の中で一番主要な大会であるワールドカップの開催頻度が変更されると、他の大会も隔年開催に変更されることになる。そうすると、ヨーロッパのビッグクラブは、毎年夏になると選手たちが代表チームに引き抜かれてしまうのだ。

この点について、アトレティコ・マドリードのCEOであるミゲル・アンヘル・ヒル・マリン氏は、クラブが抱えるリスクについて、すでにUEFAとFIFAに「代表チームでプレイしている間の給与は誰が支払うべきか」とメッセージを送っている。 

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FIFA曰く、効率的でより魅力的な日程

一方、FIFAは2年ごとのワールドカップ開催を推進し続けている。代表戦の日程変更に関する提案を理事会に提出する予定だ。

これは、サッカー開発部門の責任者であ元アーセナル監督のアルセーン・ベンゲル氏が数ヶ月前から繰り返し述べているように、「効率的」な試合日程であり、より多くのトップレベルの試合を行うことで、よりサッカーが魅力的になるとしている。

成長し続けている女子サッカーも犠牲となる


UEFAが要請した報告書によると、男子サッカー以外にも、この試合日程変更の犠牲者がいる。近年急成長を見せている女子サッカーだ。この日程変更により毎夏、知名度を上げるために激しい競争にさらされることになる。

UEFA欧州女子選手権や女子ワールドカップは、男子ワールドカップや夏季オリンピックと同じ夏の期間に開催されることになり、観客動員数やその他の収入、商業契約の面で、大きく影響されることになる。

2年ごとのワールドカップ開催が欧州リーグにどれだけ影響を与えるかは明らかではない。各国のリーグはすでに独自の報告書を作成しており、ジャンニ・インファンティーノ会長の計画の妥当性を問う内容になると予想されている。


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