フルブライト・プログラムがバレンシア大学協力の下実施した調査によると、サポーターはリーグや代表チームのスポンサーと、応援しているクラブのスポンサーを区別しているという。
フルブライトが行なった研究によると、サッカーファンは、ラ・リーガのメインスポンサーであるサンタンデール銀行と各クラブの銀行スポンサーとを区別することができます。
「ラ・リーガの現在のスポンサー銀行はどこか」という質問に対して、サポーターの88%がサンタンデール銀行と答えています。一方で8%は「BBVA(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行)」と回答しているのですが、それは2008年から2016年までの間、BBVAがリーガ・エスパニョーラのスポンサーになっていた記憶が、一部ファンの間に残っているということでしょう。
その後、「応援しているクラブのスポンサーになっている銀行はどこか」という質問に、サンタンデール銀行を挙げた回答者は4%、残りの96%は他の銀行を挙げたり、または銀行のスポンサーがいないと答えています。興味深いことに、回答者のうち、正しく銀行名を答えたのは42%だけでした。カイシャバンク銀行がスポンサーであると回答した37%のうち、97%がその答えを正しく述べていました。
リーグのメインスポンサーは覚えやすく有利な立場を持っていますが、サポーターたちは、応援しているクラブの銀行のスポンサーがリーグスポンサーとは違うということをしっかり認識しています。自分の好きなクラブのスポンサーとなっている銀行名を、必ずしも正しく答えられなかったにもかかわらず、96%が「サンタンデール銀行ではない」と認識していたというのは、非常に興味深い結果です。
特定の市場や都市で特定のターゲット層を持つ企業にとっては、ファンがメインスポンサーのブランドを記憶し、他の同業ブランドと区別していることに喜びを感じるかもしれません。今回は金融系でしたが、今後業種に関わらず、将来的にスポンサーになりうる企業にとって役に立つデータとなるかもしれません。
Jリーグにもこのようなデータがあると面白いですね。リーグ全体の活性化に繋がるかもしれません。
注意-この記事に掲載されているデータは、クラブのスポンサーに対するスペインのサッカーファンの意見を調査したものです。この調査では、約100名の回答者を対象としました。この結果は、サンプル数が少ないことと、サンプリング方法が非確率的であることをご認識ください。
筆者:アダム・ラスナー
スポーツメディアと国際スポーツ専門家、フルブライト研究員。