マンチェスター・シティがフィナンシャル・フェアプレー(FFP)の制裁を受けずに済んだのは、UEFAが対応しようとした時には既に時効になっていたから。一方のパリ・サンジェルマンは、期限を過ぎてから告発されているのだが、この点についてカール・ハインツ・ルンメニゲ氏は、UEFAが取り組んでいるFFPの改正について、冷静に対応する必要があると考えている。「クラブが違反を犯した場合、白黒をはっきりとさせなければなりません。チャンピオンズリーグ追放等も視野に入れ、自分たちの立場を理解する必要があります」と述べた。
同氏がこのような見解を示したのは初めてではない。現在は新ルールの交渉を行なっている真っ最中だ。「我々は、厳密かつ一貫して適用され、具体的な制裁が明記されている最新版のFFPが必要です」と主張した。
ここ数カ月、NBAなどアメリカ主要リーグで用いられている「贅沢税」を取り入れようとするなど、多くのアイデアが浮上している。収入に応じて課せられる制限を超過した金額を選手獲得などに投じたクラブには、自発的な金銭的ペナルティが課せられることになる。しかし、同氏は「私は本当に、マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマンのような、金銭的に余裕のあるクラブを罰することができるのだろうか」という疑問を抱く。
今のところ、UEFAの具体的な取り組みは明らかにされていない。現在のFFPのシステムは事後分析だが、ラ・リーガのサラリーキャップのように事前に上限額を通達するシステムを導入する可能性があるという。UEFA会長のアレクサンダー・セフェリン氏は、「我々のルールは、より時代に合ったものにしなければなりません」と述べている。
ラ・リーガのサラリーキャップに関しては、最新のE-Learningで専門家が説明しています。興味のある方は是非動画をご覧ください。
ラ・リーガに関するE-Learningのレッスンはこちらから
同氏は、欧州サッカーに関する最新のレポートの中で、「FFPは、過剰な支出により、移籍金インフレやチーム戦力の偏りをできるだけ抑えるために設計されました。しかし、今日はコロナウイルスの影響により問題がさらに深刻になっています」と主張しており、コロナウイルスによるクラブ間の損失を59億ユーロ(約7733億円)以上と見込んでいる。