プレミアリーグ所属の中小クラブは、運営をより柔軟にするため、民間金融機関とのファクタリングに代わる一元化されたファンド設立を要求。
イングランドプレミアリーグのいくつかのクラブは、パンデミック以来減少した収入(20億ポンド=約3074億円)の一部を補うために、10億ポンド(約1539億円)のファンド設立を要請した。また、従来の民間金融機関とのファクタリング契約に取って代わる予定だ。
過去10年間の5大リーグの財務情報を集めている「2Playbook Intelligence」のデータによると、一部のクラブにとってはまだ不十分な数字であり、15億ポンド(約2305億円)まで要求しているクラブもあるという。ちなみに2019-2020シーズンに計上した赤字は9億2650万ポンド(約1424億2700万円)だった。
ファクタリング契約から一元化されたファンドに変更する。従来のファクタリング契約では、クラブは移籍金や放映権収入の分割払いなど、将来的な収入を含めた借り入れができた。
この資金があれば、クラブはトッププレーヤーにも給料を支払うことができ、また、新選手獲得にも繋がる。E-Learningでも専門家が説明していたが、今夏プレミアリーグは5大リーグのなかで最も多くの移籍金を費やした。
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このタイプの取引は、ユベントスなどヨーロッパのビッグクラブでもよく行われているが、小規模なクラブではより一般的だ。
各クラブがプレミアリーグへ支援を要請したのは、コロナウイルスの影響による財政的な問題に対応するため。ビッグ6が資金力のある投資家の手に渡ったことで、それ以外のクラブはより問題が深刻になった。
チャンピオンシップ(2部リーグ)では、1部昇格によってもたらされる放映権収入を手にすることを目的としているため、状況はさらに深刻だ。例えば、元イングランド代表ウェイン・ルーニー氏が率いるダービー・カウンティは、破産申請を行うことになった。このようなチームは、降格などのリスクがビッグ6より高いため、銀行側もビッグ6ほどの条件を提示してくれることはない。
近年、プレミアリーグのクラブを最も支援している金融機関は、オーストラリアのマッコーリー銀行、イギリスのクローズ・ブラザーズ、デル社の創業者マイケル・デルのファンドであるMSDパートナーズで、複数のチームに資金を貸し出している。