SSラツィオのオーナーであるクラウディオ・ロティート氏は今夏、選手を獲得するために1000万ユーロ(約10億3000万円)をクラブに投じなければならなかった。チャンピオンズリーグ出場のおかげで事業が59%向上したにもかかわらず、選手への給与支払いは2倍の1億3100万ユーロ(約170億円)となった。


収入が多いからといって、必ずしも利益が上がる訳ではない。SSラツィオが良い例だ。パンデミックの間、クラブはチャンピオンズリーグ出場権を獲得するなど好調だった。そのため59%増の約1億5000万ユーロ(約190億円)の利益を得たのだが、クラブの会計報告によると、2020-2021シーズンの損失は前シーズンの倍となった。 原因は選手への給与支払いだ。

2020-2021シーズンの赤字には、前シーズンから繰り越された1300万ユーロ(約10億6000万円)が追加される。パンデミックによる損失は、合計で約3900万ユーロ(約5億円)となる。

テレビ放送やリーグ戦の収入や、チケット収入、スポンサー収入の合計額がこれほど増加したにも関わらず、なぜ2500万ユーロ(30億2000万円)の赤字を無くすことができなかったのか?理由は、1シーズンで人件費が6660万ユーロ(80億6000万円)から1億3440万ユーロ(約175億円5400万円)へと倍増したからだ。その内給料は1億3070万ユーロ(約170億7000万円)で、人件費全体の97%を占めている。

また、今夏の移籍市場でも上手くやりくりすることができなかった。パンデミックにより動きが鈍かった同移籍市場では、わずか340万ユーロ(約4億4400万円)の資本利得しか手に入れられなかった。2019-2020シーズンは1670万ユーロ(約20億1000万円)を得ていたため、8割減となる。


CLのテレビ放送とスポンサー

SSラツィオがチャンピオンズリーグに出場したことで、人件費の増加の一部を補うことができた。移籍市場の停滞による1000万ユーロ(約10億3000万円)の「損失」を差し引くとマッチデイの収入はゼロになるが、テレビがクラブの財政を後押しし、放映権収入は前年比84%増の1億4360万ユーロ(約187億4500万円)となった。そのうち、37%はチャンピオンズリーグ出場のおかげで得られた金額。

最後に商業面では、スポンサーシップおよび広告事業を3倍に拡大し、年末には162万ユーロ(約2億1000万円)を計上した。ラツィオはメインスポンサーを持っていないが、スポンサー収入は収入全体の64%を占めている。


ロティート監督、選手獲得に8億6000万ユーロ(約112億円)を投じる

SSラツィオのオーナー兼社長であるクラウディオ・ロティートは、新加入選手を登録するために、8月末に1000万ユーロ(約10億3000万円)を投じる必要があったと、コリエレ・デロ・スポルトは伝えている。

結局2021-2022シーズンのラツィオは、フェリペ・アンデルソン、エルセイド・ヒサイ、ルカ・ロメロの3選手を獲得することができた。