UEFAは、欧州クラブ協会(ECA)とイングランド、ドイツ、イタリア、オランダなどの女子リーグとの共同声明にて、FIFAのプロジェクトが「国内リーグへの投資を妨げる可能性がある」と述べた。
UEFAは、FIFAが計画している2年に1度のワールドカップ開催に再び反対の意を示している。欧州サッカーを統括している団体は、主要リーグ、女子リーグ、欧州クラブ協会(ECA)と協力し、FIFAのプロジェクトが「国内リーグのプロ化と投資のプロセスを妨げる可能性がある」と警告。
ECAやイングランド、ドイツ、イタリア、オランダなどの女子リーグとの共同声明の中で、UEFAは2年に1度の女子ワールドカップに関して次のように述べている。「世界にはまだサッカーに専念できる女子プロリーグがほとんどありません。女子選手がサッカーに専念できるようにする環境や整った練習環境を作り上げるという目標を損なう可能性があります」。
また、2年に1度のワールドカップ開催は、「市場の飽和により、スポンサーやパートナーからの女子サッカーへの投資が減少し、国内外で女子サッカーの財政的な存続が危ぶまれます。それにより男子サッカーとの不平等がさらに拡大する可能性が出てきます」とUEFAは指摘する。さらに、「スポーツ、経済、社会などに多大な悪影響を及ぼし、女子サッカーの進路と発展を根本的に変えてしまう」と話した。
UEFAはFIFAを批判し、2024年以降の新たな国際試合の日程調整について「慎重に進めなければならないものだが、真逆の状況で急速に進んでいる」と述べている。この日程調整には、クラブ、リーグ、選手、コーチの意見にも耳を傾けなければならない。なぜなら、「日常的に直接サッカーに触れている人の方が理解が深い」からだ。
UEFAや各国リーグが指摘するプロ化が進まない問題に加えて、2年に1度のワールドカップは、「すでに過密になっている」女子の国際試合の日程にさらなる負担をもたらすと主張する。
さらに、「女子代表チームのサッカー選手が受けられる医療技術等のリソースがさらに減少しました。理由は男子の大会に集中しているためです。また、準備期間が限られている中で、過密日程になると選手にかかる負担が大きくなるため、トップ選手の怪我や精神面に影響がでるリスクが高まります」と指摘する。
また、2年に1度のワールドカップは「クラブによる大陸間の大会」を制限し、「大会期間中の女子代表チームのメディアへの露出を著しく低下させ、スポーツの振興、新しいスポンサー獲得に悪影響を及ぼします」。