取締役会は7億6500万ユーロ(約987億9200万円)の収入予算を提示したが、営業損益は1900万ユーロ(約24億5400万円)のマイナスとなる。純負債は6億8000万ユーロ(約878億1500万円)に増加し、総支出は前年同期比で21%減に。

FCバルセロナは2021-2022シーズンの黒字化を目指し、2年間の累計損失5億7800万ユーロ(約746億4300万円)という悲惨な状況に終止符を打とうとしている。しかし、今シーズンも引き続き支出が収入を上回っており、資金調達による500万ユーロ(約6億4600万円)の純利益以外では利益を得ることができていない。

2Playbookの情報によると、今シーズンの経常収益は前年比21.2%増の7億6500万ユーロ(約987億9200万円)になるという。前年度に計上された費用により、支出は21%削減され、11億3600万ユーロ(約1467億300万円)から7億8400万ユーロ(約1012億4600万円)になると予想されている。つまり、営業利益(経常収益ー支出)は1900万ユーロ(約24億5400万円)のマイナスとなる。

利益はどうなっているのでしょうか。ある情報によると、「2300万ユーロ(約29億7000万円)の純利益で相殺される見込み」とのこと。この点についてクラブに近い関係者は、ゴールドマン・サックス社と合意した債務の借り換えにより、支払うべき金利が下がったことが原因のひとつであると指摘している。この借金は、10年間で5億9500万ユーロ(約768億3800万円)であり、さらに7000万ユーロ(約90億4000万円)の延長オプションが付く。

取締役会は、2021年6月30日時点の純負債が、前年同期比39.5%増の6億8000万ユーロ(約878億1500万円)に達したことを指摘。調整後の負債額は5億5800万ユーロ(約720億6000万円)に減少したが、理由はラ・リーガの計算方法では、すべての株式投資を総額から除外することができるからだ。

資本面では、2020-2021シーズンの会計年度における4億8100万ユーロ(約621億1600万円)の損失により、6月末時点の残高は4億5100万ユーロ(約582億4200万円)のマイナスとなっている。つまり、現実には運営を維持するための十分な資産があるにもかかわらず、クラブは技術的に破綻した状態にあるということだ。


・21-22シーズンバルセロナの経済状況(単位は100万ユーロ)

 

収入の改善という点で最も大きい影響は、この1年半の無観客での試合に終止符が打たれ始めており、スタジアム収入が見込めることだ。ジョアン・ラポルタ氏は、カンプ・ノウとパラウ・ブラウグラナの上限の60%以上の観客動員を維持できると、2020-2021シーズンの間に2500万ユーロ(約32億2800万円)から1億1900万ユーロ(約153億6800万円)まで出資額を増やすことができると確信する。

テレビ放映権の収入に関して、昨年はシーズンの一部が7月と8月に行われており、2019-2020シーズンの収入の一部が計上されていたため、3%減の2億7300万ユーロ(352億5500万円)となっている。また、トップチームがCLベスト16に進出できなかったことで、準々決勝進出を最低条件とする予算と比較して、2100万ユーロ(約27億1200万円)以上の損失が発生する可能性があるという。

商業分野では、前年同期比9%増の2億9200万ユーロ(約377億900万円)を見込んでいます。クラブは、「マーチャンダイジングやショップの再開」により、「昨シーズン条件を下げて契約したスポンサーからの収入」を補うことができると考えている。

最後に、選手放出およびその他項目は45%増の8100万ユーロ(約104億6000万円)となる。この収入の一部は、「期限付き移籍で放出したグリーズマンとトリンコンの減損の還元」である。つまり、ジョセップ・マリア・バルトメウ会長の最終年である2021-2022シーズンに計上されている選手の減価償却費1億3800万ユーロ(約178億2100万円)という特別経費の一部が、収益の増加につながるのだ。


・収入(単位は100万ユーロ)
・支出(単位は100万ユーロ)

取締役会はすでに、2020-2021シーズンの締めに4億8100万ユーロ(約621億1600万円)の損失を提示する予定。この中には、選手価値の下落による1億3800万ユーロ(約178億2100万円)に加えて、引当金9000万ユーロ(約116億2300万円)が含まれる。当時、クラブはネイマールとの間に法的な争いがあったが、最終的には撤回した。

来シーズンの支出が本当の意味で抑えられるとは考えにくい。最も力を入れたのは選手の減給だ。レオ・メッシの退団と4人のキャプテン、ジェラール・ピケ、セルヒオ・ブスケツ、ジョルディ・アルバ、セルジ・ロベルトとの間で合意された給与削減により、24%減の4億7000万ユーロ(約606億9600万円)となった。

チーム以外の給与は、ショップスタッフの復帰と新規ポジションの追加により、14%増の5700万ユーロ(約73億6100万円)となる。

残りの支出は、減価償却を含む39%増の1億9300万ユーロ(約249億2400万円)。「観客動員の再開、試合運営を成り立たせるために必要な費用(チケット販売、警備、清掃など)、およびクラブオフィシャルショップの販売額」となっている。