スペインの各クラブは、2億950万ユーロ(約272億4440万円)相当のトークンを発行したが、まだまだ留まることを知らない。現在、彼らはNFTの開発をさらに進め、収益化可能なデジタルシステム全体を構築しようとしている。
NFTやブロックチェーン技術に触れる人は年々増加している。最新レポートによると、スポーツの専門家や関係者の53%が、このようなデジタル資産ビジネスに可能性を見出しているにもかかわらず、十分な知識を持っていないと認めている。その中でSorare社、Socios社、Bitci社、Crypto社、Dapper Labs社などは、サッカー界のデジタル資産ビジネスのトップ企業になった。ファントークン発行のためだけに、ラ・リーガのクラブは2億950万ユーロ(約272億円4440万円)の暗号通貨を市場に投入しているが、今後はファンに楽しみながら取引に取り組んでもらうことが重要になってくる。
NFTは、スポーツ界のニッチ市場を切り開く際、2つの目標を掲げていた。「コロナによる深刻な状況の中で直接的な収入を得ること」と「収益化できるデジタルメタバースを構築すること」だ。この業界は当初、Socios社やBitci社などのトークン発行企業が中心だった。これはトークン発行で得た利益を、企業とクラブで半々に分ける方法である「合弁事業」によって行われており、迅速かつ直接的に収益を上げることができるという点で最も有利なビジネスである。
Socios社のCEOであるアレックス・ドレフュス氏は、最新のワールド・フットボール・サミット(WFS)で、「コロナウイルスによってクラブが新しい収入源を見つけることを余儀なくされているため、このビジネス産業が加速しています」と語っている。また「国際的に広まりつつある中で、各チームが他チームのファンに『二流』と思われないような体験を提供する必要があります。そのために現在は『今日のファンの傾向』を考察することから始まっています」と付け加えた。
現在、ラ・リーガのクラブでトークン発行プラットフォームと契約を結んでいるのは、FCバルセロナ、アトレティコ・マドリード、バレンシアCF、レバンテUD、RCセルタ、デポルティボ・アラベス、カディスCFの8クラブとスペインサッカー連盟(RFEF)だ。ラ・リーガは、Sorare社およびDapper Labs社との契約により、スペインにおけるデジタルエコシステム開発の第2段階に突入した。これらは、トークンの形で暗号通貨を発行するのではなく、NFTの作成を前提としている。
ラ・リーガのクラブの中には、ブックメーカーの広告が禁止されたことで失った収入を、最初の手数料と取引ごとに受け取る手数料で、実質的に補っているというところもある。業界関係者によると、バルサやアトレティコなどのクラブは1000万ユーロ(約13億円)以上を懐に入れているという。
この市場では新たなビジネスが生まれ続けているが、特に魅力的なのは、ファンにユニークなコンテンツ体験を提供できるという点だ。投資会社Galdana Ventures社のマネージングパートナーであり、元FCバルセロナのデジタル部門責任者、Barcelona Techの副社長でもあるイ・ディダク氏は「これまでの問題は、デジタル製品は簡単に複製できるということでした。この手の製品の価値は、希少性が非常に重要になります。しかし、NFTの誕生によって、デジタル製品に制限をかけたり追跡ができるようになり、これまで想像できなかった程の可能性が広がりました」と語る。
市場はブームを迎えているが、専門家は価値が下がる可能性もあると警告する。ブロックチェーン技術を専門とする法律事務所ATH21の設立パートナーであるクリスティナ・カラスコサ氏は、「個人的には、この先衰退していくと思います。なぜならこの世に永遠に成長するものはないからです」と説明する。同氏は、この先市場が成功しようが衰退しようが、トークン産業に投資することを決めた企業は「どちらにしても新たなユーザーを獲得するなど良い方向に傾くはずだ」と考える。最終的な目標は同じで、世界中の消費者に向けてデジタルメタバースを作ることだ。
ラ・リーガ各クラブはトークン発行でいくら稼いだのか
単位は100万ユーロ
こちらは3部構成の記事となっております。第2話は明日投稿されます。