男子サッカーの移籍市場が例年に比べて停滞しているにもかかわらず、女子サッカー選手の移籍は2018年から6倍増加した。移籍金が発生したのは31件だった。


女子サッカーのプロ化は、移籍市場にも反映されている。2021年夏、女子サッカー選手の国際移籍金が史上初となる124万ドル(約1.36億円)超となった。あらゆる分野において著しい成長を見せる女子サッカー界にとって、今回の結果は非常に心強いものとなっている。移籍金に関しては、前年同期比51.4%増となった。

女子サッカーの移籍市場は、男子サッカーの移籍市場と比べ物にならないくらい差が離れているのが現実。しかし、先日FIFAが発表した報告書によると、新型コロナウイルスによるパンデミックで経済的に打撃を受けた2021年、男子サッカーの移籍市場の動きは2020年の夏の移籍市場に比べて7.5%減少した。しかし女子サッカー全クラブが費やした移籍金の合計が、男子リーグの下位チームが支払える金額よりも少ないという事実も、この「差」を物語っている。

2018年にFIFAが国際移籍の数を計上するようになってから、移籍金が発生する件数は3倍になった。3年前には10件の選手売買があったのが、2021年の夏の移籍市場では31件の移籍が記録された。ただしこの数字には、バルサやレアル・マドリードなどのクラブがプリメーラ・イベルドローラ(スペイン女子サッカーリーグ)で行なっている選手売買は含まれていない。

「Transfer Matching System(TMS)」(選手登録を管理するシステム)は、パリ・サンジェルマンのセンターバック、イレーネ・パレデス選手のバルサ移籍のように、異なる国のクラブ同士の移籍を記録している。この移籍は、FIFAが2018年以降に女子サッカーで記録された2,549件の移籍のうちの一つに過ぎない。2020年には530件と倍増し、2021年には576件とさらに8.7%増加した。

FIFAの報告書によると「移籍金を伴う選手売買はさらに高い割合で増加し続け、今夏は72.2%の増加となる合計31件が完了しました」。最後に「これは、女子サッカーが急速に発展している証拠です」とFIFAは結論づけている。