20-21年シーズン、欧州主要サッカーリーグの優勝チームの多くは、赤字でそのシーズンを終えた。マンチェスター・シティとバイエルンの数字を除くと、他の6つのトップリーグのチャンピオン(アトレティコ、インテル、アヤックス、リール、スポルティング、ベシクタシュ)は合計4億6360万ユーロ(約608億円)もの赤字を計上した。

『The European Champions Report』によると、上の欧州主要8リーグの王者の中で、唯一コロナウイルス流行前と比べて売上高を伸ばしたのは、マンチェスターシティだという。具体的には、経常収益が6億4420万ユーロ(約844億8600万円)となり、2018-2019年比20%増となった。前年同期比では17%増だ。また、売上高はそれを上回る6億8300万ユーロ(約895億7500万円)に達した。

シティはプレミアリーグ優勝、チャンピオンズリーグ準優勝のおかげで放映収入が大幅に増加したが、前年と比べて最も改善したクラブはシティではなかった。改善率で言えば、セリエAの王者インテルで、前年比19%増の3億4750万ユーロ(約455億7400万円)となった。

しかし、同時に最も損失が大きかったのもインテルで、前シーズンの2倍以上となる2億4500万ユーロ(約321億3200万円)を記録した。同クラブはこの赤字の原因を、シーズン中のスタジアム閉鎖と、契約しているスポンサー契約の見直しにあったとしている。

ラ・リーガ王者アトレティコ・マドリードは、インテルに次いで2番目に損失が大きく、1億1170万ユーロ(約146億4900万円)だった。同クラブは、売上高に関しては前年同期比2%減の3億4960万ユーロ(約458億5000万円)と、インテルをわずかに上回っている。

一方でこれらのクラブの中で唯一連覇を達成しているバイエルンは、180万ユーロ(約2億3600万円)の黒字となっている。また、経常利益に対する人件費(選手への賃金支払いなど)の割合は58%と、8クラブの中で最も低い水準にとどまった。収入面に関して、放映収入だけで2億5460万ユーロ(約333億9000万円)、これにスポンサー料3億3520万ユーロ(約439億6100万円)、マッチデー収入最大770万ユーロ(約10億1000万円)が加わる。

一方、シティは興行収入として84万ユーロ(約1億1000万円)を得るのがやっとで、収入は放映事業に集中しており、3億3550万ユーロ(約440億円)だった。商業面では3億1000万ユーロ(約406億5600万円)の利益を計上している。