アンチェロッティ

ALLSTARS CLUBでは以前、選手キャリアを持たない名将たちを紹介した。

「名騎手であるために名馬である必要はない」とアリゴ・サッキが言ったように、モウリーニョやマウリツィオ・サッリ、ナーゲルスマンなど選手キャリアを持たずに一線級で活躍する監督がいる。その一方、輝かしい選手キャリアをもちながら監督としても大きな成功を収めている監督もいる。

今回は、選手として大きな成功を収めた後、監督としても名将と呼ばれるほど優秀な成績を残している監督たちを紹介する。

カルロ・アンチェロッティ(レアル・マドリード監督)


監督としてACミランやチェルシー、パリ・サンジェルマンといったビッグクラブの監督を歴任し、現在はレアル・マドリードを率いるアンチェロッティ。ミランでは2度のCL制覇、チェルシーではプレミアリーグ優勝、パリサンジェルマンではリーグ・アン優勝、そしてレアル・マドリード前政権時代にはCL優勝など輝かしい監督キャリアを誇る。

選手としては主にACミラン、ローマで活躍し、3度のセリエA優勝、2度のチャンピオンズカップ優勝を経験。史上4人目となる選手・監督両方でのCL優勝を果たした。

ペップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ監督)


監督キャリアをスタートさせたFCバルセロナでシャビ、メッシ、イニエスタらを擁し、圧倒的な強さを誇るバルセロナを作り上げたペップ。FCバルセロナでは、3度のラ・リーガ優勝、2度のCL制覇と結果を残し、ティキタカと呼ばれる美しいサッカーを見せた。

その後、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティの監督を務め、何度もリーグ王者に導いた。しかし、FCバルセロナ以外でのCL優勝は経験していない。昨シーズンは決勝で敗れるなど後一歩まで迫っている。

名将として知られるペップだが、現役時代のFCバルセロナでは6度のラ・リーガ優勝、1度のチャンピオンズリーグ制覇など輝かしい成績を残している。

ディエゴ・シメオネ(アトレティコ・マドリード監督)


現役時代は母国アルゼンチンや、スペインのアトレティコ・マドリード、セビージャ、イタリアのインテル、ラツィオで活躍したシメオネ。闘志溢れるプレーでリーグタイトル獲得に貢献。アルゼンチン代表としてもW杯出場も果たしている。

監督としてはアルゼンチンのラシン・クラブでキャリアをスタートすると、その後リーベル、サン・ロレンソなどアルゼンチンの名門クラブの監督を歴任し、2011年にアトレティコ・マドリードの監督に就任。リーグ中位に沈んでいたチームを優勝争いができるチームに変貌させ、13−14、20−21シーズンのラ・リーガ優勝、2度のCL決勝進出などソリッドなチームスタイルを武器にチームを上位に導いている。


上記の3名の他にもレアル・マドリードでCLを制したジダンや、W杯優勝を果たしたデルボスケなど選手キャリアを持ちながら大きな成功を収めている監督がいる。さらにここ最近ではジェラード、ランパードら名選手が監督としてのキャリアを歩み始め、プレミアリーグなどのトップリーグでチームを率いている。今後も選手・監督としてその両方で大きな成功を収める者は現れるのだろうか。