サッカーミュージアム

ラ・リーガは、エンターテインメントと連動した新たな収入源を模索し続けている。その一環として、Legends Collection社の10%(30%に増やすオプションあり)と同社の欧州子会社の25%を取得した。まずは、プエルタ・デル・ソル(マドリードの中心地)のミュージアムに800万ユーロを投資し、さらに同じ敷地内に3号店となるトゥエンティナイン・レストランをオープンさせる予定。

ラ・リーガの関係者は、「これは新しいビジネスへの投資であり、まだゴール地点にはたどり着いていない」と説明する。

このプロジェクトには、近々UEFAが参加する可能性があり、UEFAは欧州子会社の5%から10%の買収を交渉中であるという。残りの比率は、ハビエル・サネッティ(サッカー)やルイス・スコラ(バスケットボール)といったアルゼンチン人のスーパースターが出資しているLegends社が手にすることになる。「レオ・メッシ、クリスティアーノ・ロナウド、キリアン・ムバッペ……偉大な選手たちのサポートを競技以外の面でも実行したい」と、Legends社のマルセロ・オルダス社長は説明する。

オルダス氏は、サッカーのメモラビリアを愛するコレクターで、30年前からこのプロジェクトの構想を温めていた。このまま順調にいけば、今年の年末には、マドリード市長のホセ・ルイス・マルティネス=アルメイダ氏の支援を得て、開業を迎えることになる。

同氏は、「30年の歳月を経て、作品が展示される場所を設けなければならないことがわかった。そして、分析した結果、マドリードを選んだ。マドリードはサッカーの世界的な”首都”であり、ラ・リーガやレアル・マドリードの存在も大きい」と話した。

地下から始まる内部には、メタバースに関連したゲームエリアがあり、ゲームや技術的なアクティビティがたくさんある。また、ラ・リーガやUEFA、FIFA、CONMEBOLの限定品が発売されるショップもオープンするという。

さらに、1階から6階までは、主なサッカーのコレクションを集めた部屋(チャンピオンズリーグ、コパ・リベルタドーレス、ワールドカップ、オリンピックなどの記念ユニフォーム)やサッカーとアートを絡めた体験型の部屋、ワールドカップを上映する4Dシネマが用意されている。


海外展開


先陣を切るのはマドリードだが、現在国際化へ向けてアメリカや中東の投資家と協議中とのこと。実際、2026年のW杯に向けて力を入れるアメリカやメキシコにオファーがあるという。さらに中東で言えば、ドーハ(カタール)やドバイ(UAE)からの提案を検討中だ。最後にオルダス社長の母国であるアルゼンチンのサッカー連盟(AFA)と協力して、ブエノスアイレスでプロジェクトを進めようとしている。

※ここでの「Legends社」はレアル・マドリードの新スタジアムを担当している「Legends社」とは無関係。