リヨン

オリンピック・リヨンは、21-22年に2億5250万ユーロの売上を生み出したが、主に選手の売却によるものだった。選手売却で9560万ユーロの売上となっているが、この数字は前シーズンを約53%上回っている。

主なディールで言えば、ブルーノ・ギマランイスを4210万ユーロでニューカッスルへ、ヨアキム・アンデルセンを1750万ユーロでクリスタル・パレスへ、マクスウェル・コルネを1500万ユーロでバーンリーへ売却している。

ほとんどの事業で改善が見られたものの、リヨンは、パンデミック以前の収益額にはまだほど遠い状態。最も多かったのは、3億900万ユーロを生み出した18-19年となっている。この年は、リーグアン3位、チャンピオンズリーグベスト16という成績を残したため、放映権収入に好影響が出た。

実際、この項目は今年に入ってから激減し、前年比22%減の5420万ユーロとなった。理由はヨーロッパリーグ準々決勝敗退やリーグアン8位という成績が影響していることに他ならない。

経常収入は1億6030万ユーロで、前年同期比36%の増収となった。最も収益が向上した部門は、興行収入とシーズンチケット収入で34%増の3630万ユーロ。その他、スポンサーシップ収入で24%増の4190万ユーロ、マーチャンダイジング等の売上高は45%増の1740万ユーロとなった。

クラブは、今後数週間のうちに昨シーズンの純損益に関する情報を出す予定だが、声明の中で、EBITDA(減価償却費や投資額が多い企業の収益力を測るときに用いられる。※1)が1300万ユーロから1700万ユーロの間でプラスに転じたものの、クラブは5000万ユーロから6000万ユーロの損失で昨シーズンを締めくくったことを認めている。しかし、昨年は1億700万ユーロの赤字だったため、赤字額はほぼ半減していることが分かる。

※1.サッカーのクラブでは会計上、選手は資産として扱われ、契約が満了に近づくにつれて減価償却費として価値が薄れていく。つまり選手一人一人に減価償却費が設けられている。

22-23年の見込み

22-23年の興行収入はリーグアンに頼らざるを得なくなる。というのも、21-22年はリーグ8位に終わったことにより、UEFA主催大会への出場権を得ることができず、UEFAの資金配分の対象外となっているのだ。

しかし、最終的にリーグアンが商業事業の13%をCVCに15億ユーロで売却すれば、追加収入を得ることができる。7月26日に決定される予定で、成功すればリヨンに1650万ユーロが支払われることになる。