セリエAのラツィオは、アルゼンチン代表のホアキン・コレアをインテルに売却したことで生じた2000万ユーロの利益で赤字額を30%減らし、21-22年末の赤字を1720万ユーロにとどめることに成功した。同クラブは、パンデミックの発生以来、5740万ユーロの損失を計上している。
この売却により、ラツィオは18%減の1億3620万ユーロとなった売上高の落ち込みを補うことができたが、なぜ売上高が下がったのか。主な要因は放映権収入で、前年度の1億4380万ユーロから8570万ユーロに減少している。
20-21年の売上が多かった理由は、チャンピオンズリーグへの参加と、パンデミックにより延期された19-20年の試合の放映権収入が、翌会計年度に計上されたからである。
しかしそれ以外の主要な項目は、成長をみせた。商業分野では、メインスポンサーであるバイナンス社との2024年までの3000万ユーロの契約などに支えられ、売上高は前年比32%増の2400万ユーロ。さらにスタディオ・オリンピコの再開により、シーズンチケットやチケット販売から1050万ユーロがもたらされた。
一方で支出面では人件費を調整した。選手や監督などへの支出は27%減の9640万ユーロ、スポーツ面以外のスタッフへの支出は5%増の280万ユーロとなったものの、人員増加によるものであるため、実質は減少しているといえる。
前出の通り、20-21年にはチャンピオンズリーグに出場しているが、21-22年はヨーロッパリーグ出場にとどまっている。22-23年もヨーロッパリーグだが、クラブとしては財政面を考えても22-23年のセリエAで上位に入り、23-24年のチャンピオンズリーグ出場権を勝ち取りたいところだ。