バルセロナ

スペインの下部組織(カンテラ)と聞くと一番最初に思い浮かぶのは、バルセロナの「ラ・マシア」ではないだろうか。

一時期は、プジョルやシャビ、イニエスタ、メッシ、ブスケツ、バルデスなどがバルセロナでそろい踏みし、黄金時代を築き上げた。

スペイン代表もプジョル、シャビ、イニエスタ、ブスケツ、バルデスのほか、ピケ、セスク、ペドロなどが中心選手として主要国際大会3連覇を成し遂げるなど、ラ・マシア出身選手が牛耳った時代もあった。

その後はバルセロナで活躍するラ・マシア出身の選手が減ったが、シャビ監督が就任してからは、ガビやバルデ、ニコ、ファティなど数々のラ・マシア出身若手選手を起用している。

さて、ここまではバルセロナとスペイン代表におけるラ・マシア出身選手の話だったが、全世界を見渡すと多くの選手がバルセロナの下部組織でプレーしていた経験を持つ。

例えば久保建英のように、途中で退団し、別のクラブで成長している選手も数多く存在する。

今回は、そんな中でもカタールワールドカップに選出された、選ばれしラ・マシア出身選手たちを紹介していこう。

※年齢順

リオネル・メッシ(アルゼンチン代表、35歳)

言わずと知れた世界最高の選手の一人。カタール大会が自身の最後のワールドカップになると明言しており、優勝することができれば全ての主要タイトルを獲得したことになる。

セルヒオ・ブスケツ(スペイン代表、34歳)

バルセロナやスペイン代表の縁の下の力持ち。高身長の守備的ミッドフィルダーとは思えない程の足元の技術を兼ね備えており、攻撃の起点になることが多い。全盛期は、彼の離脱が一番の痛手だったのではないだろうか。

ジョルディ・アルバ(スペイン代表、33歳)

2012年のユーロで強烈な印象を残し、良い流れでバルセロナに復帰したアルバ。左サイドバックを一気に駆け上がり、攻撃に参加する姿に度肝を抜かれたファンも多いだろう。今シーズンはやや出場機会を減らしているが、代表でベテランとしての活躍を見せてくれることだろう。

アンドレ・オナナ(カメルーン代表、26歳)

バルセロナのトップチームでのプレー経験はない。アヤックスに移籍してから覚醒したパターンだ。近年のゴールキーパーに求められる上背もあり、長い手足と高い身体能力でゴールマウスを守る。今シーズン加入したインテルでは、ハンダノヴィッチと半々の出場機会だが、カメルーン代表では守護神として活躍する。

ペク・スンホ(韓国代表、25歳)

オナナと同じく、バルセロナのトップチーム昇格は叶わなかった選手の一人。退団後は、スペインやドイツのクラブを転々とし、2021年に母国の全北現代モータースへ移籍した。「アス」によると、ペク・スンホをバルセロナに引き抜いたのは、現在FC東京の監督を務めるアルベル・プッチだそう。

ダニ・オルモ(スペイン代表、24歳)

バルセロナはおろか、スペイン国内でのプレー経験がないダニ・オルモ。自身初の主要国際大会は、2021年に行われたユーロだったが、重要な役割を果たした。スペイン代表としてスタメンで出られるかは分からないが、出場すれば良い働きを見せることだろう。

エリック・ガルシア(スペイン代表、21歳)

エリック・ガルシアは、マンチェスターCでトップチームデビューを果たし、バルセロナに復帰した、いわゆる「逆輸入」パターン。同じセンターバックの偉大なレジェンドであるジェラール・ピケ(マンチェスターU)と同様の流れだ。

久保建英(日本代表、21歳)

バルセロナを不本意な形で退団したが、Jリーグでの活躍もあってレアル・マドリードへ移籍した。その後はローンを繰り返しながら経験を積んでいたが、2022年夏にレアル・ソシエダへ完全移籍。そこで安定したプレーを見せており、徐々にスター街道を駆け上がっている。

アンス・ファティ(スペイン代表、20歳)

左サイドから周りとの連携でゴールに迫る若きエース候補。その能力は疑いの余地がないが、怪我の多さが玉に瑕。ただ、今シーズンは限られた出場機会で結果を残しており、スペイン代表でもジョーカーとして活躍するかもしれない。

シャビ・シモンズ(オランダ代表、19歳)

幼い頃から強烈な印象を残していたシャビ・シモンズ。2019年にバルセロナの下部組織からPSGへ移籍し、そこでトップチームデビューを果たす。しかし、スター選手が揃うPSGで十分な出場機会を得ることができず、2022年からオランダのPSVへ移籍することとなった。すると、開幕からゴールを量産するなど一気に覚醒。ワールドカップメンバーに選ばれるまでの活躍を見せた。

ガビ(スペイン代表、18歳)

17歳でバルセロナのトップチームデビューを果たし、1年間やや低迷するバルセロナを支えたガビ。今シーズンも激しいポジション争いの中で一定の出場機会を得ている。今年の10月には、コパ・トロフィー(21歳以下のバロンドールのようなもの)を受賞しており、さらなる成長が期待される。