レアル・マドリードは、2022年に30億4140万ユーロというスペインサッカー界最高の評価額を達成。市場評価額で3000万ユーロの基準を超える唯一のチームとなっている。これは、スペイン紙2Playbookが作成したレポート「LaLiga Stock Market」の第2版の結果で、『経済・財務面』『ピッチ上での成績』『コミュニティ作成』『デジタル変革』『社会的影響』の5つの側面からスペインの各サッカークラブの市場価格を測定したもの。
一方で最大のライバルであるバルセロナは、コロナウイルスの影響に伴う多額の累積損失により、前年度より5%少ない28億9050万ユーロでランキング2位となった。クラブはラ・リーガ全体の赤字の60%を占めており、その事実が査定にも影響を及ぼしている。
パンデミックに見舞われた2シーズンを損失を出さずに乗り越えたレアル・マドリードも評価額を下げたが、依然として30億ユーロを超えている。両チーム合わせると、スペイン全プロサッカークラブの2022年の総評価額104億2200万ユーロの60%を占めており、いかに強力であるかが分かる。
21-22年にスペイン1部で戦った20クラブの市場価格は98億3630万ユーロであるのに対し、スペイン2部の22チームの市場価格は5億8550万ユーロ。1部リーグと2部リーグの差は歴然だ。この差は、放映権の価値と商業ビジネスにおける観客の影響力が生み出している。
実際、最も評価額が向上した3クラブの中には、20-21年に昇格した2クラブが含まれている。一方、最も下落したのはレバンテ、デポルティボ・アラベス、グラナダで、降格や移籍市場の停滞が選手たちへの支出に影響を及ぼした上、選手売却によるキャピタルゲインの計上が減少したことが響いたという。
経済面以外の要素も含めて測定した結果、次の2つの重要な要素が強い影響を及ぼしていることが明らかになった。それは、直接的な興行収入やスポンサー収入を得ることに影響を与えるオフラインおよびオンラインのコミュニティ、そしてパンデミック時に大きな臨時収入をもたらすUEFA主催大会への参加だ。
ランキングのトップ3は、レアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリード(10億6070万ユーロ)の3クラブが占めている。なお、10億ユーロ以上の評価額になっているのは、この3クラブだけである。これらのチームを除外すると、スペイン1部のチームの平均価格は1億9210万ユーロになる。範囲は、ラージョ・バジェカーノの4310万ユーロからアスレティック・ビルバオの4億4210万ユーロとなっている。
スペイン1部各クラブの評価額
※順番は21-22年ラ・リーガの順位
※単位はユーロ
レアル・マドリード 30億4140万
バルセロナ 28億9050万
アトレティコ 10億6070万
セビージャ 4億1050万
ベティス 2億4450万
ソシエダ 2億4830万
ビジャレアル 2億3090万
アスレティック 4億4210万
バレンシア 4億2230万
オサスナ 9580万
セルタ 1億2840万
ラージョ 4310万
エルチェ 7040万
エスパニョール 1億40万
ヘタフェ 9640万
マジョルカ 6290万
カディス 7410万
グラナダ 6250万
レバンテ 5880万
アラベス 5230万