PSG

ラ・リーガは、キリアン・ムバッペの契約更新がファイナンシャル・フェアプレー(FFP)のルールに違反すると考えており、欧州サッカーの経済的エコシステムとその持続可能性を守るため、PSGをUEFA、フランスの行政・財政当局、欧州連合の管轄機関に提訴し、法的措置を講じることを発表した。

ムバッペは、ホームでの最終節で2025年夏までの契約延長を表明。年俸5000万ユーロ、ボーナス1億3000万ユーロ、肖像権100%という破格の契約だと言われている。

PSGは、カタールからの支援に基づく商業ビジネスが盛んだが、19-20年と20-21年に3億5200万ユーロの損失を計上した。チームのオーナーであるQatar Sport Investment(QSI)は、コロナウイルスの損失を相殺するために、すでに1億7100万ユーロをクラブに注入している。

この投資は、カタールファンドが17-18年に実施した初の大型オペレーションに続く、2回目の出資だ。当時は、夏にネイマールとムバッペを獲得するために、3億1600万ユーロを投入していた。

ラ・リーガは、「PSGのいき過ぎた選手への給与と前シーズンの莫大な損失により、本来投資することはできないはずだが、この出資は、UEFAだけでなく、フランスサッカー自体の経済制御のルール違反を意味する」と指摘する。

過去にも、UEFAのファイナンシャル・フェアプレーを遵守していないとして、ラ・リーガがPSGに対して苦情を申し立て、チームに対する制裁措置がとられたことがあったが、後にスポーツ仲裁裁判所(CAS)によって覆された。

さらに、ラ・リーガは、PSGのナセル・アル・ケライフィ会長がUEFAの経営組織に入ったことで、「こうした行為がもたらす深刻な損害を理解して、UEFA組織への参画の自粛を期待していたが、そうはならなかった。全く逆だ」と認識している。

UEFAは2025年から、賃金総額を総収入の70%までに制限する新しいFFPを適用する予定。詳しくはこちら