レアル・マドリード

先日、スペイン各クラブの20-21年の会計情報が発表された。スペイン1部では、総売上高が31億5000万ユーロであったにも関わらず、総損失は8億300万ユーロと大赤字を計上。一体、この赤字に「貢献」しているクラブはどこなのか。以下のグラフをご覧いただこう。

スペイン1部

こちらでは、21-22年シーズンに1部リーグに所属するクラブの総収入、純利益、純負債の値をクラブごとに表している。

ここ数年、ラ・リーガのクラブの中で総収入が一番多かったのはバルセロナであったが、20-21年、レアル・マドリードが追い抜く形となった。レアル・マドリードの総収入は7億7200万ユーロで、ラ・リーガ1部の総収入の25%を占める。これにバルセロナとアトレティコ・マドリードを含めると全体の55%となり、いかにラ・リーガ3強の力が強いかが読み取れる。

一方、純負債に関しては、バルセロナが6億6700万ユーロでトップとなっている。リーグ2位の収入額であるにも関わらずだ。アトレティコ・マドリードの状況もバルセロナと似ており、大きな損失である。ただ、レアル・マドリードを見てみると、損失額はバルセロナの5分の1程度に抑えられており、安定した経営が見られる。


スペイン2部

ところで、スペイン2部はどうだろうか。(CDカステジョン、CFフエンラブラダ、ADアルコルコン、CEサバデルは年次会計が公開されていないため含まれていない)。

総収入に関しては、トップのエスパニョールで6110万ユーロ。1部の総収入ランキング最下位のカディスが5550万ユーロであることを見ても、いかに1部リーグの環境が整っているかが読み取れるだろう。また、2部の中でもエスパニョールが飛び抜けているため、2位のマジョルカ(3260万ユーロ)はカディスには到底及ばない。

ただ、2部の中で圧倒的な収入を誇るエスパニョールだが、最終的には2部の中でトップの赤字額となっている。19-20年に、93-94年以来26年ぶりに降格したエスパニョールは2部降格の影響を大きく受けることとなった。それでも、1年での1部復帰を果たしたため、会計状況は多少は落ち着くことになるだろう。

1部と2部を合わせると、年次会計が公開されていない4クラブを除く38クラブの内、26クラブが赤字で締めくくっている。